【2025年版】登山用ストックおすすめ5選|構造・素材・使用シーンで選ぶ元・登山店員解説!

山道具
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ポレポレ

高校から登山をはじめ、8年間。
山&旅好きな彼女と、国内外へ。
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はじめに

登山における「ストック(トレッキングポール)」は、単なる補助道具ではなく、疲労軽減・歩行効率の最適化・安全確保を担う戦略的なギアです。

とくに中〜上級者の間では、路面状況や行程に応じた「使い分け」や「軽量化戦略」の一環として、ストックの性能や構造を見極めて選ぶことが常識となっています。

この記事では、2025年最新モデルを中心に、登山スタイル別におすすめの登山ストック5本を厳選紹介。あわせて、選定時に見るべき構造・素材・ロック機構の違い、そして実際の使用シーンでのメリット・デメリットまで徹底解説します。


登山用ストックの基本構造と種類

シャフト素材

登山用ストックの性能は、シャフト(支柱)素材によって大きく左右されます。現在主流なのは主に以下の2種:

素材 特徴 代表製品例
アルミニウム 強度・耐久性◎/重め/価格は安い モンベル、LEKIベーシックモデル
カーボンファイバー 超軽量/振動吸収性◎/割れやすいリスクあり BDディスタンスZ、ヘリノックスTL125

軽量さで言えばカーボンに軍配が上がるかもしれませんが、過酷な状況でも壊れず、最後まであなたを支えてくれるのがアルミ製ストックの魅力です。

ロック機構

ロック機能とは、ストックの長さを調整・固定する仕組みのことで、使いやすさ・信頼性・重量・トラブルの少なさに関わる、実はかなり重要なポイントです。

機構 特徴
レバーロック式(外部) グローブ着用時でも調整しやすい。信頼性高い。
ツイストロック式(内部) 軽量だが滑ることも。気温差に弱い。
Z型折りたたみ式 軽量・収納性◎/長さ調整は不可の製品も多い。

ロック機能は人によってオススメなものが違います。ざっと分けると下記です。

  • 岩場・重装備登山派:→ レバーロック式一択(信頼性・安定感)

  • 軽量化・スピード登山派:→ スマッシュ/折りたたみ式(携行性・速さ)

  • 初心者・日帰り登山派:→ レバーロック or プッシュ式(扱いやすさ重視)

 

グリップ形状と素材

登山ストックの「グリップ(握り手)」は、使用感・疲労度・滑りにくさ・気温への適応に大きく影響します。以下に、グリップ形状と素材の種類、それぞれの違い・選ぶ際の観点を分かりやすくまとめます。

素材 特徴 メリット デメリット 向いている人
EVAフォーム 発泡ウレタン系の柔らかい素材 軽量/吸湿性◎/滑りにくい 耐久性はやや劣る 汗をかきやすい/長時間歩く人
コルク 天然素材。柔らかく手になじむ 長時間でも快適/通気性/手汗に強い 高価/やや重い 夏場・ロングトレイル派
ラバー(ゴム) 合成樹脂で耐久性に優れる 滑りにくい/寒冷地でもOK 蒸れる/重い/硬め 雪山・寒冷地・岩場で使う人
プラスチック(廉価モデル) ツルツルした硬質素材 軽くて安い 手が痛くなる/滑る 軽ハイク・初心者向けモデル限定

形状 特徴 向いている人
T字型 杖のように握る形。登山用というよりトレッキング・歩行補助向け 高齢者、膝の不安がある人、ハイキング派
I字型(ストレート) 手を下から包むように握る/一般的な山岳用 登山者全般。汎用性が高い
エルゴノミクス型 人間工学に基づいた斜め形状/角度がついてる 手首への負担が軽く、長時間向き
ロンググリップ(延長型) グリップが下に長い(歩きながら持ち位置を変えやすい) 上下変化の多いルート/地形に応じて調整したい人

登山用ストックおすすめ5選

Black Diamond ディスタンスカーボンZ

まずは王道「Black Diamond ディスタンスカーボンZ

  • タイプ:Z型折りたたみ式/固定長

  • 重量:270g(ペア・100cm)

  • 特徴

    • 超軽量&収納性抜群

    • ファストパッキングやトレイルランにも

    • カーボンシャフト+EVAグリップ

  • 適したシーン:軽量装備の縦走/スピード登山

  • 価格帯:17,000〜20,000円前後

収納性と軽さのバランスが突出しており、「必要最低限+機動力」を求める玄人志向にベスト。

LEKI マカルー ライト AS

体重を預けても不安がない!丈夫さが人気な、「LEKI マカルー ライト AS

  • タイプ:3段伸縮式/アンチショック搭載

  • 重量:約516g(ペア)

  • 特徴

    • レバーロック機構+衝撃吸収

    • 登山歴の長いユーザーに信頼される定番

    • 錆びにくいHTSアルミ採用

  • 適したシーン:長時間縦走/岩稜の下山

  • 価格帯:15,000〜18,000円

衝撃吸収付きは膝に不安がある登山者に特に効果的。LEKI独自の衝撃減衰機構は完成度が高い。


ヘリノックス LBB-120

伸縮がワンタッチでとにかく長さ調整がしやすい「ヘリノックス LBB-120

  • タイプ:2段伸縮式+折りたたみ
  • 重量:430g(ペア)
  • 特徴
    • DACポール技術で高強度&軽量

    • 長さ調整が可能な折りたたみモデル

    • 高剛性カーボン製

  • 適したシーン:バリエーションルート、軽量縦走
  • 価格帯:19,000〜22,000円

UL系登山者から絶大な人気。山岳テン泊装備とも相性がよく、すべてのスペックで高水準。


モンベル アルパインポール アンチショック

ザ・無難。王道モンベルのアルパインポール、コスパの良さ重視ならコレ1本

  • タイプ:3段伸縮式/アンチショック付き

  • 重量:480g(ペア)

  • 特徴

    • 国内登山者の手に合う設計

    • EVAグリップが握りやすく滑らない

    • コストパフォーマンスに優れる

  • 適したシーン:アルプス登山、春夏秋の一般登山

  • 価格帯:8,000〜10,000円

信頼性・価格・汎用性の三拍子が揃う「最初の一本」に最適なモデル。


Black Diamond トレイルプロショック

Black Diamond トレイルプロショック」の強みは、Black Diamond独自の4段階ショック吸収システムを搭載している点です。地面からの衝撃を効果的に吸収します。これにより、手首や肩への負担が軽減され、長時間の使用でも快適さが持続します。

  • タイプ:3段伸縮式/スプリング内蔵ショック吸収

  • 重量:510g(ペア)

  • 特徴

    • バネによる柔らかい接地感

    • フリックロックProで高い固定力

    • 耐久性・操作性のバランス◎

  • 適したシーン:重荷を背負う縦走/中級以上の登山者

  • 価格帯:18,000〜21,000円

「ガレ場でも振動が腕に来にくい」使用感が人気。バックパッキングにも。


ストック使用時のテクニカルポイント

  • ポールの長さ調整

    • 基本姿勢:平地で肘が90度になる長さが理想

    • 上り坂:通常より5〜10cm短く

    • 下り坂:5〜10cm長く調整することで膝の負担を軽減

  • 2本使い vs 1本使い

    • 推奨は常に「2本使い」。左右のバランスが整い、筋疲労が分散される。

    • 片手が空く1本使用は岩稜帯や雪渓などで臨機応変に

  • 使用上の注意点

    • 固定が甘いと歩行中に縮む危険あり

    • ロック機構の定期メンテナンスは必須

    • 金属先端は登山道での使用に配慮を(ゴムキャップ推奨)


まとめ

登山ストックは「とりあえず1本買う」時代から、「登山スタイルに合わせて選ぶ」時代へと進化しました。

軽量化か、耐久性か、あるいは収納性か。どれを優先するかによってベストな選択は変わります。

今回紹介した5本は、いずれも実用性と信頼性の高い製品ばかり。登山の快適性と安全性を一段高めたい方は、ぜひストック選びにこだわってみてください。