【2025年】トレッキングポールは「これ」一択。登山歴8年が教える失敗しない選び方

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ポレ鳥(ぽれとり)

「高尾山からキリマンジャロへ」

登山歴8年・元登山ショップ店員。 近所の里山歩きから、憧れの海外登山まで。初心者が一歩ずつステップアップするためのノウハウを丁寧に解説します。

  1. はじめに
  2. おすすめトレッキングポール1選。
  3. あなたが選ぶべきトレッキングポールはこれ!
    1. あなたの登山スタイル別・おすすめポールの方向性
  4. トレッキングポールを使うべき理由
    1. 膝への衝撃を分散し、疲労・痛みを圧倒的に軽減する
    2. 上半身の力を活用し、登りの推進力をラクラク得る
    3. 不安定な足場での転倒リスクを激減させ、安全性が向上する
  5. 初心者がやってはいけない!NGなポール選びと使い方
    1. NG選び方1:安さだけでノーブランド品を選ぶ(耐久性の罠)
    2. NG選び方2:強度を無視して超軽量カーボン一択にする(折れるリスク)
    3. NG使い方:ストラップ(紐)を間違った方法で握る
  6. 失敗しないトレッキングポール選び:5つの最重要ポイント
    1. グリップの種類
    2. 素材の選択
    3. 収納方式
    4. 適切な長さ(サイズ)の選び方
    5. 5. ロック機能:主流の「レバーロック」で操作性を確保する
  7. 信頼できる人気モデル&ブランドBEST5
    1. おすすめブランド&モデル一覧(イメージ)
  8. 知っておきたい豆知識
    1. ポールを突く位置と歩き方のコツ
    2. 岩場・鎖場での判断基準
    3. 先ゴム(ポイントプロテクター)の付け外しマナー
  9. ポールの寿命を延ばす方法
    1. 清掃:使用後はそのまま放置しない
    2. 乾燥:しっかり乾かしてから収納
    3. 保管時の注意
  10. 買う前の不安を解消!よくある質問(FAQ)
    1. Q. 「トレッキングポール」と「ストック」に違いはありますか?
    2. Q. 初心者でもすぐに使いこなせますか?
    3. Q. ポールを使うと体が甘えて、歩き方が下手になりませんか?
  11. まとめ:安全な相棒を選んで、登山をもっと楽しもう!

はじめに

こんにちは、ポレポレです!

「登山を始めたいけれど、体力や足腰に不安がある」
「登りはまだいいけど、下山後の膝の疲労が本当にキツい…」

そんな不安や悩みを抱えている登山初心者にこそ、全力でおすすめしたいのが トレッキングポール(ストック) です。

トレッキングポールは、単なる“お年寄りの杖”でも“なんとなく持つ道具”でもありません。
疲労と転倒リスクを大きく減らす「命を守る必須ギア」 と言っていい存在です。

この記事では、

  • トレッキングポールを“使うべき理由”
  • 初心者がやりがちなNGな選び方・使い方
  • 失敗しないための選び方5ポイント
  • 初心者でも安心して選べる「おすすめモデル&ブランド」

までを、最短で「自分に合う1本」が見つかるように まとめました。

 

おすすめトレッキングポール1選。

あえて1つだけ紹介するなら、「LEKI マカルーライト AS」です。

  • LEKIの代名詞「アンチショック(衝撃吸収)」が圧倒的
  • 下りでの衝撃をガッツリ抑えてくれる
  • レバーロック+握りやすいグリップで安心感が高い

膝痛持ち・下りが苦手な初心者はこの1本で、正直世界が変わります。

↓よりしっかり選びたい人向け

あなたが選ぶべきトレッキングポールはこれ!

まずは「自分はどのタイプか?」をざっくり決めてしまいましょう。
以下の表で、あなたの登山スタイルに一番近いところを見てください。

あなたの登山スタイル別・おすすめポールの方向性

あなたの登山スタイル おすすめ本数 素材 収納方式 選択基準
本格登山・長距離縦走(安定性重視の初心者) 2本(I字型) アルミ製 伸縮式 丈夫さ・価格・扱いやすさ重視
軽量化・岩場(機動力重視の中級者) 2本(I字型) カーボン製 折り畳み式 軽さ・携帯性・疲労軽減を最優先
ハイキング・軽登山(休憩・気軽さ重視) 1本(T字型) アルミ製 伸縮式 歩行補助・気軽さ・持ち替えのしやすさ

細かいスペックや機能はこのあと解説しますが、
「だいたいこのイメージかな」 というものをまずひとつ決めておくと、迷いにくくなります。


トレッキングポールを使うべき理由

「本当に必要?持ってる人、ちょっと大げさじゃない?」
最初はそう感じるかもしれません。

でも、一度ちゃんと使ってみると、

「なんでもっと早く使わなかったんだろう…」

と後悔する人が多いのも事実です。

トレッキングポールには、主に次の3つの効果があります。

膝への衝撃を分散し、疲労・痛みを圧倒的に軽減する

特に下り坂では、自分の体重+ザックの荷物が 片足にドンッ! と乗ります。

トレッキングポールを使うことで、

  • 着地の瞬間の衝撃が分散される
  • 膝・腰・足首への負担が大きく軽減される
  • 翌日の「階段降りるのが地獄…」状態がかなりマシになる

といった変化が期待できます。

初心者ほど筋力や体幹がまだ十分でないので、ポールの有無で難易度が一段階変わる と考えてOKです。

上半身の力を活用し、登りの推進力をラクラク得る

平坦な道や登りでは、

  • ポールで地面を押す
  • 上半身の力で体を前に送り出す

ことで、足だけに頼らない歩行 ができます。

結果として、

  • 太ももがパンパンになりにくい
  • 心拍数の上がり方が緩やかになる
  • 長時間歩いてもバテにくい

といったメリットがあります。

不安定な足場での転倒リスクを激減させ、安全性が向上する

岩がゴロゴロした道、濡れて滑りやすい木道、ザレた斜面、稜線の細いトレイル…。
そんな場所では、ほんの一瞬のバランス崩れが「転倒」につながります。

そこでポールが 「もう一本の足」 として働いてくれます。

  • 三点支持・四点支持でバランスを取りやすい
  • 心理的にも安心感があり、怖さがやわらぐ
  • 余裕があるので、景色を楽しむ余白も増える

初心者ほど「足元に全神経を使ってヘトヘト」になりがちなので、ポール導入の恩恵はとても大きいです。


初心者がやってはいけない!NGなポール選びと使い方

ここからは、「これをやると後悔しやすい」 NGパターンを先に潰しておきます。

NG選び方1:安さだけでノーブランド品を選ぶ(耐久性の罠)

「とりあえず安いのでいいや」と思って、
よく分からないノーブランドの激安ポールを選んでしまうパターン。

正直、これはかなりリスク高め です。

  • ロック機構が甘く、歩いている途中で縮む
  • 強く突いたときにシャフトが曲がる・折れる
  • 先ゴムやパーツの交換がきかない

など、「安物買いの銭失い」になりがち。

回避法:

  • SINANO / LEKI / masters / Black Diamond / mont-bell
    など、信頼できるブランドのエントリーモデル を選ぶのが一番安全です。

NG選び方2:強度を無視して超軽量カーボン一択にする(折れるリスク)

カーボン製は確かに 軽くて振りやすく、疲れにくい 素材です。
その一方で、横方向からの強い衝撃に弱い という性質があります。

岩と岩の間に挟まってテコのような力がかかったり、
踏み外して思いきり体重をかけたりすると、パキッと折れる ことも。

登山初心者は、まずアルミ製(ジュラルミン含む)一択でOKです。

  • 強い負荷がかかっても「曲がる」だけで済むことが多い
  • 多少雑に扱っても壊れにくい
  • 価格も比較的手頃

安心感がまったく違います。

NG使い方:ストラップ(紐)を間違った方法で握る

意外と多いのが、ストラップの通し方が逆 になっているケース。

ダメな例:

  • 上から手を入れる
  • 手首にストラップが食い込む
  • 転倒時、親指を挟んで怪我する など

正しい方法は、

  • ストラップの輪を少し開く
  • 下から 手を通す
  • そのままストラップと一緒にグリップを握る

これだけです。

こうすると、

  • 強く握り締めなくても体重を預けられる
  • 手首や腕の疲労が大きく減る
  • コントロールしやすい

「たかがストラップ、されどストラップ」です。ここをミスると本当にもったいない。


失敗しないトレッキングポール選び:5つの最重要ポイント

ここからは、具体的に「どう選ぶか?」です。

グリップの種類

初心者に最適なのは「I型グリップ × 2本使い(ダブルポール)」一択です。

グリップ種類 本数の基本 向いているシーン 特徴・メリット
I型グリップ(I字型) 2本使い(ダブルポール)が基本 登り下りが多い登山/本格登山 推進力を得やすく、バランスも取りやすい。現代の山岳用ポールの主流。
T型グリップ(T字型) 1本使いが基本 平坦メインのハイキング/“杖代わり”用途 杖のように体重をかけやすく、片手が空くので写真撮影などもしやすい。
2WAYグリップ 1〜2本どちらでも可 登り下りどちらもあるコース/汎用性重視の登山 登りではI型、下りではT型のように握り替えられるハイブリッド。一本で応用範囲を広げたい人に◎。

 

素材の選択

初心者はまず アルミ製 を選べばOKです。
「2本目」「ステップアップ」でカーボンに手を出す、くらいでちょうどいいです。

素材 軽量性 強度・耐久性 価格帯 初心者にすすめやすい理由
アルミ(ジュラルミン) △(やや重い) ◎(折れにくい) 手頃 雑に扱っても壊れにくく、コスパも良い
カーボン ◎(圧倒的に軽い) △(横衝撃に弱い) 高価 長距離・軽量化には◎だが慣れが必要

収納方式

迷ったら伸縮式でOK。
コンパクトさを最優先したい人だけ折り畳み式を検討するとスムーズです。

収納方式 特徴 メリット デメリット 向いている人
折り畳み式(フォールディング/Z型) シャフトが複数パーツに分割され、Z型に折り畳める ・コンパクトでザックの中に入れやすい・携行性抜群(電車・飛行機で便利)・UL・スピード系に人気 ・長さ調整幅がやや少ない・構造が複雑でメンテに手間 ・軽量化したい人・スピードハイク/縦走好き・普段はザックに収納しておきたい人
伸縮式(テレスコーピング) 筒をスライドさせて長さを変える一般的な方式 ・強度が高く、頑丈・状況や身長に合わせて細かい調整がしやすい・初心者にも扱いやすい ・収納時の長さが長め・ザック内部にしまいにくい時がある ・初心者全般・本格登山をしたい人・安定性&調整のしやすさを重視する人

適切な長さ(サイズ)の選び方

基本の考え方は超シンプルです。

  • 平地でポールを突いたとき、肘が90度(直角)くらいになる長さ がベース

目安は下記です。

  • I型 → 身長(cm) × 0.63〜0.65(例:身長170cm → 約107〜110cm)
  • 下りでは +5〜10cm 長く
  • 上りでは −5cm 程度 短く

アンダーグリップ(グリップが長いタイプ)が付いているモデルなら、
「ちょっとだけ短く持つ」ことができるので、歩きながらの微調整も楽になります。

5. ロック機能:主流の「レバーロック」で操作性を確保する

長さを固定するロック機構には大きく分けて2つありますが、初心者にはレバーロック一択でOK です。

ロック方式 仕組み メリット デメリット 向いている人
レバーロック(カムロック/スピードロック) レバーを倒すだけで長さを固定する方式 ・操作が簡単で素早い・グローブ着用でも扱いやすい・固定力が高く、安全性が高い・初心者でも扱いやすい ・若干重くなる傾向・外側パーツが出っ張るため、見た目は少し武骨 ・初心者全般・冬山やグローブ使用が多い人・固定力と扱いやすさ重視の人
スクリューロック(ツイストロック) シャフトを回し込んで締め付けて固定する方式 ・構造がシンプルで軽量・見た目もスマート ・緩みやすい・力加減が難しい・汗や雨で滑りやすい・寒さで固着しやすい ・軽量化を最優先したい人・短距離の軽ハイク用途・ある程度扱いに慣れた中級者

信頼できる人気モデル&ブランドBEST5

ここからは、初心者でも安心して選べる 信頼ブランド&モデル をざっくり把握しておきましょう。

おすすめブランド&モデル一覧(イメージ)

ブランド(国) おすすめモデル例 素材 ロック方式 特徴
SINANO(日本) FAST-115A/S アルミ レバーロック 日本人向け設計、アンチショック内蔵
masters(イタリア) RANGER アルミ(5083/7075) スピンロック 高強度&高コスパ、ヨーロッパ製で安心感あり
LEKI(ドイツ) マカルーライト アルミ レバーロック 定番中の定番。握りやすいグリップが人気
Black Diamond(米国) トレイル アルミ合金 レバーロック シンプル&タフ。岩場が多い登山にも◎
mont-bell(日本) アルパインポール アルミニウム合金 スクリューロック 1本から買える。価格と性能のバランスが良い

知っておきたい豆知識

ポールを突く位置と歩き方のコツ

  • 基本は 「手と反対側の足」が前に出るタイミングで突く
  • 体から遠すぎず、近すぎず、「自分の足元の少し前」あたりに突く
  • ポールはあくまでバランス補助。
    全体重をドンッと預ける使い方はNG です。

最初は意識しすぎるとぎこちなくなりますが、数回の山行で自然と慣れてきます。

岩場・鎖場での判断基準

  • 鎖場・急な岩場・手を大きく使う場所では、ポールはザックに収納
  • 手足で岩をつかむ 「三点支持」 が最優先
  • 無理にポールを使おうとすると、かえって危険になる場面もあります

「これはポールより手足だな」と感じたら、迷わずしまいましょう。

先ゴム(ポイントプロテクター)の付け外しマナー

付けるべき場所:

  • 一般公道・アスファルト
  • 木道・デッキ
  • 苔や樹木の根が露出している繊細な登山道
  • 電車・バスなど公共交通機関内

外すべき場所:

  • 濡れた岩場
  • ぬかるみ
  • 砂礫帯(富士山の砂利など)

先ゴムは

  • 登山道や木道の保護
  • 周囲の人への配慮

にもつながる、大事なパーツです。

落としやすいので、予備をザックに1つ入れておく と安心です。
例えば、これとか。


ポールの寿命を延ばす方法

清掃:使用後はそのまま放置しない

  • 山から帰ったら、できるだけ早く泥や砂を落とす
  • シャフトを抜いて分解し、内部の汚れや水分も拭き取る

泥や砂がロック部分にたまると、

  • 固着して動かなくなる
  • ロックが甘くなる

などのトラブルの原因になります。

乾燥:しっかり乾かしてから収納

  • 分解した状態で、風通しの良い場所に立てかけて乾燥
  • 特にシャフト内部と樹脂パーツに水分が残りやすいので注意

保管時の注意

  • ロックは 緩めた状態 にしておく
  • 潤滑油・グリス・CRCなどは基本NG→ 滑ってロックできなくなります

シーズン前に一度、動作チェックをしておくと安心です。


買う前の不安を解消!よくある質問(FAQ)

Q. 「トレッキングポール」と「ストック」に違いはありますか?

A. 基本的には 同じもの です。
呼び方の違いなので、どちらを使ってもOKです。


Q. 初心者でもすぐに使いこなせますか?

A. はい、大丈夫です。

  • 歩くリズムに合わせてポールを突く
  • 正しい長さ&ストラップの通し方を覚える

この2つさえ押さえれば、すぐに慣れます。

いきなり本格登山で試すのではなく、
近所の公園や低山ハイクで練習してみる のがおすすめです。


Q. ポールを使うと体が甘えて、歩き方が下手になりませんか?

A. 「ポールに頼りすぎると体幹が弱くなる」という意見もありますが、
膝を痛めて登山自体が続けられなくなるリスクの方がよほど大きいです。

  • ケガのリスクを減らす
  • 長く登山を楽しむ

という意味でも、道具はしっかり使った方が得 です。


まとめ:安全な相棒を選んで、登山をもっと楽しもう!

トレッキングポールは、

  • 膝や腰の負担を軽くする
  • 転倒リスクを減らす
  • 登山の難易度そのものを一段階下げてくれる

心強いパートナーです。

最後にポイントを整理すると:

  • 登山メインなら I型×2本(アルミ製) が基本
  • 収納性重視なら折り畳み式、汎用性重視なら伸縮式
  • 初心者は アルミ×レバーロック を選べばまず失敗しない
  • 迷ったら、SINANOやLEKI、mont-bellなど信頼ブランドの入門モデルを選ぶ

本記事の内容をベースに、
「自分の体格と目的に合った1本」 をぜひ見つけてみてください。

一度トレッキングポールの快適さを知ると、
もう「素手で山を登っていた頃」には戻れなくなりますよ。