はじめに
迷ったら、モバイルバッテリーは下記が無難です。
日帰り登山:「Anker PowerCore 10000」
1泊2日の宿泊登山:「Anker PowerCore Essential 20000」
「どのモバイルバッテリーを選べばいいのかわからない…」
「容量とか軽さとか、結局どれがいいの?」
そんな悩みを解決するなら、この2つで間違いありません。
実際に登山で使って「これにしておいて良かった」と感じた理由を、失敗談も交えて紹介します。
・登山用モバイルバッテリーの2つの選び方
・初めての宿泊・縦走に最適な1つ
・モバイルバッテリーに関する私の失敗談3選
登山用モバイルバッテリーのたった2つの選び方
そもそも、登山専用のモバイルバッテリーはありません。
一般なモバイルバッテリーの中から登山に使えるモデルを選択します。
選択する際の観点は、下記になります。(項目が多すぎる!)
- 容量(mAh)
- 重さ(g)
- サイズ・形状
- 防水・防塵性能(IP規格)
- 耐衝撃・耐久性能
- 出力性能(W・A・V)
- 入力性能(充電速度・ポート規格)
- ポート数・対応端子(USB-A / USB-C など)
- パススルー充電対応可否
- LEDライト機能有無
- ブランド・信頼性
- 価格・保証・サポート
迷ったら「容量」と「重量」だけでOK
選択肢が多いと、結局「自分には何が必要なのか」分からなくなってしまいますよね。
だからこそ、まず見るべきは「容量」と「重量」だけでOKです。
日帰り・宿泊別おすすめ容量
だいたいスマホ1台フル充電で5,000mAh必要と言われています。
(表示上は、3,500mAh/1回充電ですが、変換ロスを含むとこのくらいかかります)
モバイルバッテリー容量 | 実際に使える容量(70%効率) | 充電可能回数(iPhone15) |
---|---|---|
5,000mAh | 約3,500mAh | 約1回分(ギリギリ) |
10,000mAh | 約7,000mAh | 約2回分 |
20,000mAh | 約14,000mAh | 約4回分 |
- 日帰り登山(4時間以下):5,000mAh
- 日帰り登山(4時間以上):10,000mAh
- 1泊2日の宿泊登山:20,000mAh
登山口までの移動時にスマホのGooglemapをカーナビ代わりに使っていることや、地図アプリを使っているためバッテリー消費が早く余裕を持たせています。
日帰り(4時間以下):5,000mAh
- 行動時間が短く、スマホ使用頻度も限られる。
- ほとんどの場合、スマホは1回もフル充電不要。
- 緊急用に5,000mAhあれば安心。
日帰り(4時間以上):10,000mAh
- 長時間行動で写真・動画・地図アプリを何度も使う。
- 消耗が激しく、1回フル充電分は欲しい。
- 1回分しっかり充電できる10,000mAhが安心。
1泊2日の宿泊登山:20,000mAh
- 1日目・2日目と2日間にわたって使い続ける。
- 夜にライトやヘッドランプ、カメラも充電したくなる。
- 電波が弱くスマホの消耗が激しくなる場所も多い。
日帰り・宿泊別おすすめ重量
5,000mAhあたり100g前後が登山用モバイルバッテリーとして軽量の目安です。
モバイルバッテリー容量 | 理想重量(目安) | 充電可能回数(iPhone15) |
---|---|---|
5,000mAh | 約100g | 約1回分(ギリギリ) |
10,000mAh | 約200g | 約2回分 |
20,000mAh | 約400g | 約4回分 |
- 日帰り登山(4時間以下):100g
- 日帰り登山(4時間以上):200g
- 1泊2日の宿泊登山:400g
モバイルバッテリーの場合は「アウトドア用」として、防塵防水性能に優れたモデルやソーラーパネル搭載のモデルもありますが、重量がかさむため私は取り入れていません。
- 防塵防水性能→ジップロックに入れて代替可能
- ソーラーパネル搭載→天候に左右され確実性がない
ためです。
日帰りに最適なモバイルバッテリー
【日帰り】Anker PowerCore 10000
出典:amazon
結論、日帰り登山(4時間以上)には「Anker PowerCore 10000」が最適です。
あらゆる登山ブログ・登山youtubeで紹介されています。何より、私が所属していた山岳部ではだいたいみんなこれでした(笑)
- 容量:10,000mAh
- 重さ:約180g
私が毎回の日帰りやテント泊のサブで持って行っているモバイルバッテリーです。
スマホ2回分しっかり充電でき、重さも気にならない。
登山用バッテリーに迷っているなら、まずこれを選べば間違いありません。
【実例】Anker PowerCore 10000
2024年9月に尾瀬の至仏山に登ったときの実例を紹介します。
~登山前:1,200mAh分使用
土曜の朝に、東京で集合して尾瀬に向かいました。自宅出発前では100%でしたが、
- 自宅~東京駅まで移動時間:1時間
- 東京駅~尾瀬の駐車場まで:3時間
で、
- 駐車場情報
- 天候情報
- Googlemap
- 社内BGM
- その他ネットサーチ
をすることで、登山前には残りバッテリー60%になりました。
登山中:900mAh分使用
鳩待峠を10時半頃出発し、小至仏山~市仏山をめぐり再度鳩待峠に下る4時間半の周遊コースです。
- ヤマレコアプリでの登山ログ
- 写真の撮りまくり
をして鳩待峠に下山した際には残りバッテリー30%になっていました。
ここで1度目の充電です。
~自宅:1,200mAh分使用
下山後自宅までは、
- 温泉リサーチ
- ご飯処リサーチ
- Googlemap
- 車内BGM
- SNS
で再度40%ぐらい消費しました。
まとめ
日帰り登山の至仏岳では3,300mAhを使用しました。
- ~登山前:1,200mAh分使用
- 登山中:900mAh分使用
- ~自宅:1,200mAh
5,000mAhでも容量的には十分でしたが、緊急時への備えの観点で10,000mAhの「Anker PowerCore 10000」を持って行って良かったと思います。(Anker PowerCore 10000は10,000mAhのモバイルバッテリーの中でも世界最軽量レベルで、5,000mAhのモバイルバッテリーと卵1つ分(約60g)程度しか変わりません)
1泊2日に最適なモバイルバッテリー
【1泊2日】Anker PowerCore Essential 20000
出典:amazon
結論、1泊2日の宿泊登山には「Anker PowerCore Essential 20000」が最適です。
- 容量:20,000mAh
- 重量:約343g
私が毎回のテント泊時に持って行っているモバイルバッテリーです。
Maxスマホ4回分しっかり充電できる安心感に加え、重さも気になりません。
薄型で収納しやすい点も高評価です。
【実例】Anker PowerCore Essential 20000
2024年10月に1泊2日で北アルプスの涸沢カール(標高2,300m)に行った時の使用例をお伝えします。
~登山前:3,000mAh分使用
金曜日の夜に、東京駅で集合し車で上高地近くの駐車場まで向かいました。
自宅出発前では100%でしたが、
- 自宅~東京駅まで移動時間:1時間
- 東京駅~上高地周辺の駐車場まで:4時間
で、
- 駐車場情報
- 天候情報
- Googlemap
- 社内BGM
- その他ネットサーチ
をすることで、あっという間に残りバッテリー40%になりました。
就寝時に一度目の充電を行い、充電100%にして翌日に備えました。
~涸沢カール:2,500mAh分使用
上高地から涸沢まで約6時間の工程。
- ヤマレコアプリでの登山ログ
- 写真の撮りまくり
で涸沢ヒュッテについた段階であっという間に残りバッテリー50%になりました。涸沢ヒュッテでおでんを食べ、ビールを飲みダラダラしながら、再度100%まで充電しました。
~1日目就寝:1000mAh分使用
涸沢ヒュッテ到着後、ダウンロードしていた音楽聞きながら、100-200枚ぐらい写真撮影をしていた関係で20%ぐらい再度バッテリーを使いました。
~上高地下山:1500mAh分使用
涸沢から上高地下山までは、写真を撮る回数も減り、行きよりペースも早く
- ヤマレコアプリでの登山ログ
- 写真何枚か
でバッテリー70%になりました。
~自宅:2,500mAh分使用
下山後自宅までは、
- 温泉リサーチ
- ご飯処リサーチ
- Googlemap
- 車内BGM
- SNS
で再度50%ぐらい消費しました。
まとめ
1泊2日の北アルプス涸沢カール登山で10,500mAhを使用しました。
- ~登山開始前:3,000mAh分使用
- ~涸沢カール:2,500mAh分使用
- ~1日目就寝:1000mAh分使用
- ~上高地下山:1500mAh分使用
- ~自宅:2,500mAh分使用
涸沢カールは友人と向かったのでスマホをいじるよりも会話することが多かったのですが、個人で行く場合はもうちょっと使用量多いかなという具合です。
また、緊急時に備えてモバイルバッテリーは多めに持って行く派なのでやはり私の場合、1泊2日の宿泊登山には「Anker PowerCore Essential 20000」がしっくりきます。
モバイルバッテリーに関する私の失敗談
そもそも持って行かない
正直、登山を始めたばかりの頃は「モバイルバッテリーなんていらないでしょ」と思っていました。特に、何度も登ったことがある“よく知っている山域”ほど油断しがちです。
私の場合、神奈川県の塔ノ岳によく通っていて、「このくらいならスマホの充電なんて気にしなくて大丈夫」と軽く考えていました。
でも、あるとき少し背伸びして、神奈川県最高峰の蛭ヶ岳(標高1,673m)まで足を伸ばしたときのこと。
往復約20km、コースタイム約10時間というこれまでより長丁場の山行だったにも関わらず、
「まぁいつもの延長線上だし大丈夫でしょ」と、モバイルバッテリーを持たずに出発してしまったんです。
しかも、家を出るときにスマホをフル充電し忘れていたという二重のミス。
その結果、登山後半にはバッテリー残量が数%に…
日も暮れかけ、ライトもスマホも頼れない状況に冷や汗をかいた苦い経験があります。
今振り返ると、バッテリーだけでなく、そもそもの計画自体が甘かったと反省しています。
登山口までのバッテリー消費
「バッテリーが切れるのは山の中だけ」と思っていませんか?
実は、登山口に着く前からスマホのバッテリーはガンガン減っています。
私もよく、家を出るときは100%だったのに、登山開始時点で60%しか残っていないことがよくありました。
例えばこんな使い方、していませんか?
車で行く場合
- カーナビ代わりにスマホをセット
- 音楽やラジオをBluetoothで再生
- 駐車場・天気・コンビニ・食事処を調べる
電車で行く場合
- YouTubeやSNS、ゲームで暇つぶし
- 乗り換え案内やバスの時刻表チェック
- 山行計画や天気予報の最終確認
「山に着いたら充電開始」ではなく、家を出た瞬間から“バッテリー消耗戦”は始まっています。自分の場合、金曜夜19時頃に東京の自宅を出発し、長野まで3,4時間かけて登山口まで向かうことが多いのですが、カーナビ代わりのGooglemap×社内BGMのSpotifyでガンガンバッテリーを消費しています。(眠気覚ましの観点でも必ず音楽かけています)
ごっついモバイルバッテリーを持って行く
登山にモバイルバッテリーが必要なのは分かった。でも、選び方がいまいちピンとこず・・・
とりあえず“登山用っぽい”ものを買おう!とAmazonで「登山 モバイルバッテリー 防塵性能」と検索し、見た目ゴツくて丈夫そうな“いかにも登山用”を購入。(平均の2,3倍重いモデル)
いざ山に持っていったら…
- 重すぎて正直いらなかった…
- 1回しか使わないのに大げさすぎた…
- 値段も高いし、無駄だったかも…
と後悔しました。
まとめ
初めての縦走や宿泊登山にオススメなモバイルバッテリーの選び方は、
- 容量
- 重量
のたった2つだけです。(シンプル!)
そして私の結論は、
- 日帰り登山:「Anker PowerCore 10000」
- 1泊2日の宿泊登山:「Anker PowerCore Essential 20000」