【2025年11月】登山初心者向け|失敗しない登山靴の選び方とおすすめモデル完全ガイド

山道具
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ポレポレ

高校から登山をはじめ、歴8年
部活&バイトで出会った、
登山者100人以上の知恵をご紹介!

はじめに

こんにちは!ポレポレです。

「登山靴ってどれを選べばいいの?」
「モンベル?キャラバン?みんな何履いてるの?」

と、登山靴選びで迷っていませんか?

この記事では、

  • 登山歴8年の私の経験
  • 高校・大学登山部で見てきた100人近い登山者の“靴トラブル”
  • 登山用品店バイトで教わった“失敗しない選び方”

をベースに、登山初心者が最初の1足で失敗しないための「登山靴の選び方」をまとめました。

ちなみに私は、アゾロのグリッドMID GVをずっと愛用しています。
1足目がボロボロになってしまったので2足目購入したぐらいオススメです。


最初の1足で失敗しない条件

登山初心者が、最初の登山靴選びで失敗しないコツは2つだけです。

  • ミッドカットの防水仕様であること
  • 店頭で試着すること

重量や、靴紐(レーシングシステム)、アッパー素材、ソール、足型など細かい観点は色々ありますが、

初心者は細かいことを考えず、

  • ミッドカットの防水仕様であること
  • 店頭で試着すること

を外さなければOKです。(詳細は追って書きます)

 


【迷ったらコレ!】登山靴おすすめランキング3選

まずは結論から。
「とりあえず一番無難なのを教えて!」という方は、ここだけ見てもOKです。


▽ザ・定番

モンベル マウンテンクルーザー 600

登山初心者〜中級者まで、とりあえずこれ1足あれば日本の低山〜富士山までかなりカバー。
ゴアテックス採用で防水性も安心、トレールグリッパーのグリップ力も◎。
「モンベル+ミッドカット+防水」の黄金パターン。


▽コスパ重視

C1_LIGHT MID

日本人の足に合うように作られた、“初めての登山靴”の超定番モデル。
「とにかく失敗したくない」「2万円前後で抑えたい」という人にぴったり。


▽クッション性重視でいきたい人向け!

メレル Moab 3 MID GORE-TEX

➝ とにかく履き心地が柔らかく、クッション性が高いモデル。
「ガチガチの登山靴は苦手」「普段のハイキングや旅行でも使いたい」という人向けです。登山とタウンユースの中間に位置する感覚。

ここから先は、

「なんでその3足が良いって言えるの?」
「自分の場合はどれを選ぶべき?」

を、ひとつずつ整理していきます。


なぜ登山靴が必要なのか?

まず大前提。

「山にスニーカーで行くのは、できるけどおすすめしない」

という話から。

登山靴は、雨具・ザックと並んで「登山の三種の神器」と呼ばれる必須装備です。
平地用のスニーカーと登山靴の最大の違いは、

「長時間の不整地歩行を支えるための頑丈さ・安定性・快適性」

にあります。

山道は岩や石が多く、ぬかるんだ場所や滑りやすい斜面も多いため、スニーカーだと3つのリスクが一気に高まります。

グリップ力の不足:滑って転倒するリスク

濡れた岩や木道、ぬかるんだ登山道。
スニーカーのソールは「街歩き」用なので、そもそも“山でグリップするように設計されていません”。

捻挫リスク:足首が無防備

スニーカーは足首がむき出しのため、
不安定な足場でひねった瞬間、簡単にねん挫します。

登山中にねん挫すると、

  • 歩けない
  • 歩くたびに激痛
  • 最悪、救助要請

となりかねません。

疲労の蓄積:足裏が先に限界を迎える

ソールが柔らかいスニーカーは、一見歩きやすそうに見えますが、
実は 地面の凹凸がダイレクトに足裏に響くため、長時間の登山には不向きです。

登山靴は、あえてソールを硬めにすることで、
足裏へのダメージを分散&軽減する構造になっています。

浸水によるトラブル:濡れると一気に過酷になる

防水性のないスニーカーで雨や泥にはまると、
靴の中が濡れっぱなしになります。

  • 靴擦れ
  • 冷え
  • マメ
  • 低体温症リスク

など、トラブルのオンパレードです。

登山靴の選び方

改めて、初心者の登山靴の選び方は下記2つだけでOKです。

  • ミッドカットの防水仕様であること
  • 店頭で試着すること

まずは、

  • ミッドカットの防水仕様であること

について解説します。

ミドルカット

登山靴は、足首周りの高さ(カット)によって大きく3つに分けられます。

カット別の特徴一覧

カットの高さ 特徴・メリット デメリット・用途 初心者への推奨度
ミッドカット 足首を適度にホールドし、サポート力と歩行性のバランスに優れる。日帰り〜山小屋泊まで幅広く対応。 ハイカットと比べるとホールド力はわずかに劣る。 最もおすすめ。最初の1足に最適。
ハイカット 足首をしっかり固定し、ぐらつきを抑制。重い荷物や岩場、縦走など本格的な登山に適している。 重く、着脱がしづらい。平地では歩きにくく感じることも。 1泊2日以上の縦走や重荷を背負う場合に推奨。
ローカット 足首の自由度が高く、軽量で軽快に歩ける。低山ハイキングや整備された散策路に適している。 足首のサポート力がないため、登山では相応の筋力やバランス力が必要。捻挫リスクも高い。 登山経験ゼロの場合は非推奨。慣れてから検討。

なぜ、ミドルカットがオススメか?

最初の1足はミッドカット一択。
日帰り〜1泊程度の山なら、ミッドカット1足でかなりカバーできます。

ちなみに、登山ショップや雑誌ではハイカットをおすすめされることが多いですが、
私がミドルカット推しなのは下記3点が理由です。

理由①ハイカットに比べて安い
→登山の初期費用を2~3万円おさえることができます

理由②かさばらず疲労がたまらない
→重量が軽く、長時間の歩行でも疲れません

理由③低山~高所登山まで万能に使える
→ハイカットに比べてやや足首の固定感はなくなるが、十分に固定されます。
ハイカットの場合、北アルプスの岩稜帯ルートなどではピッタリですが、他のルートの場合、オーバースペックとなります。

 

防水透湿性能

山の天候は変わりやすく、晴れ予報でも急にガスったり、雨が降ることは普通にあります。

そこで重要なのが防水透湿性能

  • 防水性
    → 雨・泥・水たまりなどからの浸水を防ぐ
    → 靴内部が濡れると、靴擦れ・冷え・低体温症リスクが一気に上がる

  • 透湿性
    → 歩行中にかいた汗を外に逃がし、靴内部の蒸れを軽減
    → 蒸れは、マメや靴擦れの原因にも

代表的な素材は、

  • ゴアテックス(GORE-TEX)
  • アウトドライ(OutDry)
  • 各社オリジナルの防水透湿素材

ほとんどの登山靴は、防水透湿素を活用していますが、念のために確認するとベターです。

 

店頭で試着

そのうえで、

  • 店頭で試着すること

が大事です。具体的には下記3点確認しましょう。

サイズとフィット感

店頭での試着時に一番大事なのが、サイズとフィット感です。
普段履きと同じ感覚で「ジャストサイズ」を選ぶと、多くの人が失敗します。

サイズ選びの目安

足長実測 + 1.0〜1.5cm程度の余裕を持つ

試着時のポイント
  • 必ず登山用の厚手ソックスを履いて試着する
  • 靴紐を緩めた状態で、つま先を先端に軽く当てる
  • かかと側に指1本分入る余裕があるか確認する
  • その後、かかとをしっかり後ろに合わせ、つま先側から順に靴紐を締める
  • 店内や傾斜台を歩いて、下りでつま先が当たらないか/かかとが浮かないかを見る

特に下山時、つま先が靴の先端に当たると、
いわゆる「親指の爪が真っ青になる問題」(内出血・爪割れ)が発生し、毎歩激痛になります。

ソールの硬さとグリップ力

ソール(靴底)の硬さは、長時間歩行での疲労/安定感に直結します。

  • 硬めのソール
    → 地面の凹凸を感じにくく、岩場での安定感が高い
    → 重い荷物を背負う登山や、ガレ場の多い山向き

  • 中程度の硬さ
    → 日帰り登山や低山歩きに向く
    → 歩きやすさと安定性のバランスが良く、初心者の基本選択肢

また、滑りにくさを決めるグリップ力も重要です。

  • 多くのメーカー:ビブラム社製ソールなど高グリップソール
  • モンベル:独自開発の「トレールグリッパー」で、濡れた木道や岩場でも滑りにくいと評判

➝ 個人的にも、「雨上がりの木道で安心感があるかどうか」はかなり重要視しています。

 

重さと安定感のバランス

靴の重さは、安定感と疲れやすさのトレードオフです。

重い靴

  • 安定感・耐久性が高い
  • その分、足への負担・疲労も増えやすい

軽い靴

  • 歩き始めは楽に感じる
  • ただしサポート力が弱く、筋力やバランスに依存する

初心者向けの登山靴は、多くが片足 500g 前後になるよう設計されています。
あまりにライトなローカットに飛びつくより、しっかりめのミッドカットを選んだ方が、結果的にラクなケースが多いです。

 

初心者が陥りやすい登山靴選びの失敗例

登山靴選びで失敗を避けるには、ありがちな失敗パターンを先に知っておくのが近道です。

失敗例1:デザインや口コミだけで「ポチる」

  • 「口コミ評価が高いから」
  • 「見た目が好みだから」

という理由だけでネット購入 → 足に合わず撃沈パターンです。

足の形は人それぞれ。メーカーごとに木型(足型)も全く違う。

必ず店頭で試着し、足に合うかどうかを確認しましょう。

失敗例2:普段の靴サイズでジャストフィットを選ぶ

街靴感覚で「ピッタリサイズ」を選ぶと、

  • 下山時に指先が前に当たる
  • 爪が黒くなる/割れる
  • 痛すぎて歩けない

といったトラブルの元になります。

登山靴は「少し大きめ+ソックス+締め方で微調整」が基本です。

失敗例3:登山用ソックスを履かずに試着する

普通の薄い靴下で試着 →
本番で厚手ソックスを履くと、

  • 「あれ、なんかキツい…」
  • 「下りで足が前に詰まる…」

ということに。

登山靴は厚手のトレッキングソックス込みでサイズ設計されているので、
試着も登山用ソックス必須です。

失敗例4:量販店やネットで安易に買ってしまう

専門的なフィッティングが必要なのに、

  • スポーツ量販店で適当に選ぶ
  • ネットのサイズ表だけ見て決める

というのも典型的なミスです。

特に最初の一足は、
登山用品専門店やモンベル直営店などで、店員さんに相談しながら選ぶのがおすすめです。

失敗例5:自分の用途に合わない靴を選ぶ

  • 富士山にローカットで行ってしまう
  • 低山メインなのに重登山靴(ガチガチのハイカット)を買う

など、山の難易度と靴のスペックが噛み合っていないケースです。

「どんな山に行きたいのか?」を想定し、
不安なら店員さんに具体的な山の名前を出して相談しましょう。

登山靴の主要ブランド比較

日本人の足型に合うかどうかは、登山靴選びの成功確率を大きく左右します。
代表的なブランドをざっくり整理すると、次のようなイメージです。

ブランド 国 / 特徴 日本人への適性・強み 代表的なモデル例
モンベル (mont-bell) 日本の総合アウトドアブランド 日本人の足に合いやすい独自木型。幅広・甲高にフィットしやすく、価格も良心的。独自ソール「トレールグリッパー」が高評価。 アルパインクルーザー(ハイカット)、マウンテンクルーザー(ミドルカット)
キャラバン (Caravan) 日本の老舗登山靴メーカー 日本人向けの木型で履き心地が良い。軽くて歩きやすい「軽登山靴」の先駆け的存在。 C1_02S(初心者向けロングセラー)
メレル (MERRELL) アメリカのアウトドアブランド クッション性が高く、履き始めから足馴染みが良い。ソフトな履き心地。 モアブ (Moab) シリーズ
キーン (KEEN) アメリカのフットウェアブランド つま先(トウボックス)広めで足指の解放感が高い。幅広足の人に人気。 ターギー (TARGHEE) シリーズ
サロモン (SALOMON) フランスのアウトドアブランド トレイルランの技術を活かした軽量・スポーティーなモデルが多い。やや細身の足型。 X ULTRA MID GORE-TEX など

特に、モンベルとキャラバンは「日本人の足型に合わせた設計」が強み
登山初心者の方は、この2ブランドから試してみるのが安全です。

用途別

ここでは、登山初心者に特におすすめしやすいミドルカットモデルをピックアップします。
(価格は目安・税込です)

モデル名 ブランド こんな人におすすめ 価格帯(税込)
マウンテンクルーザー 600 モンベル 日本の低山〜富士山まで幅広く行きたい人。迷ったらコレ。 約 ¥24,500
C1_02S キャラバン 「まず1足目」が欲しい人、日本人の足に合うモデルから始めたい人。 約 ¥20,900
Moab 3 MID GORE-TEX メレル 柔らかめでクッション性が高い靴が好きな人。登山とハイキングの中間くらい。 約 ¥20,900
セイバー ファイブ ミッド アウトドライ コロンビア 低山中心/スニーカー感覚で登山を始めたい人。コスパ重視派。 約 ¥15,950

迷ったら:
「モンベル マウンテンクルーザー」系 or 「キャラバン」
どちらかをまず履いてみるのがおすすめです。

登山靴と一緒に揃えたい周辺ギア

登山靴を選んだら、「靴だけ」で完結させず、周辺装備もセットで考えると失敗しにくくなります。

【MUST】登山用の厚手ソックス

  • 靴擦れ防止
  • クッション性アップ
  • 吸汗・速乾

登山靴のフィット感はソックス込みで完成します。
必ず、登山用ソックスを履いた状態でサイズを合わせるようにしましょう。

個人的に、登山ソックスは全然安くて良いと思います。例えばミズノの厚手靴下とか。

【WANT】必要に応じて揃えたいもの

  • インソール(中敷き)
    → 土踏まずサポートやフィット感調整に有効。こちらは店頭で。

  • ゲイター(スパッツ)
    → 泥・砂・雪の侵入防止。特にざらざらした山に行く場合や、ヤブ漕ぎ、雪山登山で。安物でOKです。例えば、ワークマンのこれなど。

  • トレッキングポール
    → 足への負担軽減・バランス向上につながります。個人的な趣味で、ブラックダイヤモンド推しです。

登山頻度や行く山の難易度に合わせて、少しずつ揃えていけばOKです。

よくある質問(Q&A)

Q. 富士山に行くなら、どの登山靴を選べばいい?
A. ミッドカットの防水モデルが基本です。
モンベル「マウンテンクルーザー」シリーズや、キャラバンなら安心して使えます。

Q. 普段履きと登山靴のサイズは同じでいい?
A. 基本的には0.5〜1.5cm大きめを選びます。
必ず厚手ソックスを履いた状態で試着し、下りでつま先が当たらないか確認しましょう。

Q. ローカットから始めるのはアリ?
A. 完全な初心者にはおすすめしません。
足首のサポートが弱く、捻挫リスクが高いため、まずはミッドカットから始めたほうが安全です。

まとめ

登山靴は、あなたの足の安全と快適性を守る最重要装備です。

  • サイズ選びは「足長実測+1.0〜1.5cmの余裕」
  • 登山用ソックスを履いた状態で、専門店で必ず試着
  • 最初の一足は、ミッドカット+防水+信頼できるブランドが鉄板
  • モンベル・キャラバンなど、日本人の足型に合うブランドから選ぶと成功率が高い

あなたにぴったり合った登山靴を選べれば、
山頂に立ったとき、きっとこう思うはずです。

「この登山靴を選んで、本当によかった。」

その一歩目が、これからの安全で楽しい山歩きのスタートになります。
ぜひ、今回のガイドを参考に“失敗しない登山靴選び”をしてみてください。