【11ルート比較】ニュージーランド・トレッキング完全攻略ガイド!初心者が失敗しないルート選び・予約・装備のすべて

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ポレ鳥(ぽれとり)

「高尾山からキリマンジャロへ」

登山歴8年・元登山ショップ店員。 近所の里山歩きから、憧れの海外登山まで。初心者が一歩ずつステップアップするためのノウハウを丁寧に解説します。

はじめに

ニュージーランド(NZ)は、手つかずの原生林、巨大な氷河、そして息を呑むような火山湖が点在する「歩く旅(トランピング)」の聖地です。この記事では、数ある選択肢の中から「初心者が最高の体験をするための最適ルート」を、2026年最新情報をもとに整理します。

✔ 北島・南島のどちらに行くべきか
✔ グレート・ウォーク11ルートのどれを選ぶべきか
✔ DOC予約・装備・移動で失敗しないための要点

この3点が、この記事を読み終えた時点で判断できる状態を目指します。

ニュージーランド・トレッキングの全体像

NZのトレッキングルート

ニュージーランド全土には、数時間の散策路から、数週間〜数ヶ月に及ぶ長距離縦走まで数千本規模のトレッキングルートが存在します。これらのルートの大半は、Department of Conservation(DOC)
によって管理・整備されています。

DOCが公式に管理しているだけでも、

  • 短距離ウォーク(Short Walks)
  • 日帰りハイク(Day Walks)
  • マルチデイ・トラック(Multi-day Tracks)
  • グレート・ウォーク(Great Walks:11本)

といった複数カテゴリに分かれた膨大な数があります。この記事では、グレート・ウォーク(Great Walks:11本)を中心的に解説します。

ちなみに、NZでは、トレッキングのことを 「トランピング(Tramping)」 と呼びます。
これは単なる運動ではなく、自然と共生するライフスタイルとして根付いています。

DOCとは?

Department of Conservation(通称:DOC)は、ニュージーランド政府に属する自然保護・国立公園管理の中枢機関です。NZでトレッキングをするなら、DOCの理解は必須の前提知識になります。

DOCの基本情報

  • 正式名称:Department of Conservation
  • 管轄:ニュージーランド政府
  • 役割:自然環境の保護と、国民・旅行者が安全に自然を楽しむための管理

DOCが担っている主な役割

  • 国立公園・自然保護区の管理
    → トレイル、森林、湖、氷河、野生動物の保全
  • トレッキングルートの整備・区分
    → Day Walk / Multi-day Track / Great Walks などの分類
  • 山小屋(Hut)・キャンプ場の運営
    → 予約管理、設備維持、利用ルール設定
  • グレート・ウォークの予約管理
    → すべてDOC公式サイト経由、人数制限あり
  • 安全・天候・通行止め情報の発信
    → 崩落・増水・暴風時は即時クローズ判断

なぜDOCが重要なのか?

NZでは「登れるかどうか」を最終判断するのはDOCです。

  • ガイドブックよりもDOC情報が最優先
  • 現地のDOCビジターセンターは最新の天候・路面状況を直接聞ける唯一の公的機関
  • DOCが「危険」と判断した場合、入山禁止=絶対ルール

私は、クイーンズタウン市街地近くのBen Lomond Trackに登ろうとした際に、登山道途中で通行止めの標識があり撤退することになりました。DOCの公式サイトで調べたところ、下記のような忠告があり、先にDOCのサイトを確認していれば、、と後悔しました。

グレート・ウォーク(Great Walks)とは何か?

NZに数千あるルートの中から、DOCが「景観・設備・安全性すべてが最高峰」と認定した11ルートが
グレート・ウォーク(Great Walks)です。

初NZトレッキングなら、まずはグレートウォークスからトレッキングルートを選ぶのがオススメです。グレート・ウォークスに挑戦する場合、DOC経由で事前に予約が必要となります。(記事下部で解説)

11ルートについて下記定義で整理してみました。
★★★:予約開始直後に埋まる/世界的知名度
★★:初NZ・短期滞在でも選ばれやすい
★:通好み・時期や体力次第で選択

【2026年最新】GWの11ルート

2026年1月時点で、GWは11ルートあります。北島に3本、南島に8本登録されています。

北島・南島のどちらに行くべきかですが、トンガリロだけのトレッキングでよい場合は北島のみでOK、トンガリロ以外にも楽しみたい場合は南島にも行くことを強くお勧めします。私は、北島でトンガリロ・南島でルートバーン・Mt.クック近くをハイクしました。

ハンプ・リッジ・トラックは、長年ローカルに親しまれてきたルートでしたが、DOCによる整備と施設アップグレードを経て、2024年10月25日付でニュージーランドの11番目の「グレート・ウォーク」として正式認定されました。

北島のグレート・ウォーク

  • ★★ トンガリロ・ノーザン・サーキット
  • ワンガヌイ・ジャーニー
  • レイク・ワイカレモアナ・トラック

南島のグレート・ウォーク

  • ★★★ ミルフォード・トラック(世界的知名度No.1)
  • ★★ ルートバーン・トラック(短期×絶景で超人気)
  • ★★ アベル・タスマン・コースト・トラック(歩きやすさ+景色)
  • ケプラー・トラック
  • パパロア・トラック
  • ヒーフィー・トラック
  • ラキウラ・トラック
  • ハンプ・リッジ・トラック

北島・南島の比較

観点北島(North Island)南島(South Island)
景観火山・地熱・原生林氷河・アルプス・フィヨルド
雰囲気荒々しく神秘的圧倒的スケール感
トレッキング日帰り〜短期複数日縦走が主
向いている人初海外・短期旅日本アルプス経験者

【補足】GW以外で有名な3大ルート

  • トンガリロ・アルパイン・クロッシング:世界屈指の日帰り火山トレック
  • ロイズ・ピーク:SNS映え代表格
  • ミューラー・ハット:Mt.クック正面の絶景小屋

※「トンガリロ・ノーザン・サーキット」はグレート・ウォーク(GW)ですが、「トンガリロ・アルパイン・クロッシング」は厳密にはGWではありません。要は、「トンガリロ・アルパイン・クロッシング」は、「GW(ノーザン・サーキット)の美味しいとこ取りを1日で体験できるルートです。

名称カテゴリ期間特徴
トンガリロ・ノーザン・サーキットグレート・ウォーク (GW)3〜4日間(周回)火山群をぐるっと一周する縦走。小屋に泊まる。
トンガリロ・アルパイン・クロッシングデイハイク(日帰り)1日(片道)GWの一部(ハイライト)を歩く日帰りコース。

グレート・ウォーク11ルートの整理

グレート・ウォーク11ルートを「人気度」を縦軸に、「準備工数(期間・予算・予約難易度)」を横軸に2軸で整理すると下記のようになります。

グレート・ウォークの中でも、ミルフォード・トラックとルートバーン・トラックは別格の人気を誇り、毎年予約開始直後に満席となります。一方で、人気度が低いルートほど原生的で静かな体験ができるのも、NZトレッキングの魅力になります。

11ルートありますが結論、初めてのNZトレッキングの場合、まずはミルフォード・ルートバーンの予約が取れるか挑戦し、残り9ルートはそのあとに考えるのが無難です。

挑戦的メジャー3本

下記3本は、人気が高い一方で予約難易度や必要な日数が長くなります。

ミルフォード・トラック
 世界的知名度No.1。予約開始数分で満席になる最難関。

ケプラー・トラック
 稜線歩きが魅力。ルートバーンより体力寄りで安定した人気。

トンガリロ・ノーザン・サーキット
 有名なアルパイン・クロッシングを含む。北島では最人気。

お手軽メジャー1本

下記は、人気が高いにもかかわらず、予算や日数を抑えながら挑戦できます。ただし、予約難易度はミルフォードの次に高くなります。

ルートバーン・トラック
 2泊3日でNZアルプスの核心部。日本人・海外勢ともに圧倒的人気。

癒しの穴場3本

アベル・タスマン・コースト・トラック
 歩きやすさ×絶景。初心者・ファミリー・欧米旅行者に大人気。

レイク・ワイカレモアナ・トラック
 静かで原生的。通好み。

ラキウラ・トラック
 最南端・最も人が少ない。秘境志向向け。

個性派・冒険ルート4本

ワンガヌイ・ジャーニー
 歩くというより川下り。好みが分かれるが固定ファンあり。

パパロア・トラック
 新しめのGW。整備良好で近年人気上昇中。

ヒーフィー・トラック
 距離・天候ともにハード。経験者向け。

ハンプ・リッジ・トラック
 2024年にGW昇格。今後人気が伸びるポテンシャル枠。

2026年 グレート・ウォーク予約開始目安

グレート・ウォークの宿・テント場の予約は”基本的に”必須です。”基本的に”とつけたのは、ルートバーントレックの32kmを1日で駆け抜けるトレイルランニングや、トンガリロ・ノーザン・サーキットの一部を日帰りであるくトンガリロ・アルパイン・クロッシングのように日帰りで、通過する場合は予約不要だからです。ただ、普通の登山者(特に初心者)の場合は、宿泊を伴うため予約必須と考えておくのが無難です。

全世界同時に予約サイトがオープンし、通例だと下記のスケジュールになります。

  • 5月中旬:ケプラー/ラキウラ/ヒーフィー
  • 5月下旬:ルートバーン/アベル・タスマン/他
  • 5月末:ミルフォード(数分で満室)

日本時間で2025年5月22日の朝6時30分からオープンし、私はオープン直後にアクセスしましたがすでに500人待ちで15分後にアクセスできた際には、年末年始のルートバーンの山小屋はほぼほぼ埋まっていました。(テント場にはちらほら空きがありました)

↓こんな感じでした。#が満室、!が残り少ないです。

参考までに2025年度のスケジュールは下記でした。

5月15日 9:30(NZST)

  • ヒーフィー・トラック
  • ケプラー・トラック
  • ラキウラ・トラック
  • ハンプ・リッジ・トラック

5月22日 9:30(NZST)

  • ワンガヌイ・ジャーニー
  • ルートバーン・トラック
  • トンガリロ・ノーザン・サーキット

5月27日 9:30(NZST)

  • レイク・ワイカレモアナ・トラック
  • アベル・タスマン・コースト・トラック
  • パパロア・トラック

5月28日 9:30(NZST)

  • ミルフォード・トラック

DOC経由での予約手順(実務)

DOCでの予約実施は下記4ステップです。

  1. DOC公式サイトで事前アカウント登録
  2. 予約開始15分前にログイン待機
  3. 氏名・年齢・国籍をコピペ入力
  4. クレカ決済完了で確定

DOCのアカウント自体は、予約サイトオープン前に作成できるので必ず事前に登録するべきです。

現地移動

GWのルートを確保できたら次にするべきことは、移動手段の確保です。トレッキング開始地点・終了地点へのアクセスには①通り抜け(ワンウェイ)と、②ピストンタイプの2つがあります。

①通り抜け(ワンウェイ)タイプに該当するGWは下記4つです。

  • ミルフォード・トラック
  • ルートバーン・トラック
  • ワンガヌイ・ジャーニー
  • アベル・タスマン・コースト・トラック

これらのルートに行く場合は、入山口と下山口が違うためシャトルバス・車両回送サービス等を活用する必要があります。特にミルフォード・トラックは移動手段の手配も肝になります。行きはテアナウから船で湖を渡り、帰りはミルフォード・サウンドからバスで戻る必要があります。

まとめ

この記事では、ニュージーランドトレッキングのすべてを解説しました。

ニュージーランドには、DOCが管理するだけでも数千本規模のトレッキングルートがあります。

しかし、その中で初心者が安心して、かつ最高の体験ができるルートは限られています。

本記事で押さえたポイントは、以下の3つです。

  • DOCの情報が最優先。ガイドブックより信頼すべき公式判断
  • 初心者はまずグレート・ウォークから選ぶ
  • ルート選びと同時に、予約時期と移動手段まで含めて計画する

特に重要なのは、
「人気ルートほど早く動く」「移動手配まで含めて1セット」
という点です。

グレート・ウォークの予約は世界同時スタートで、
ミルフォードやルートバーンは数分で埋まる年も珍しくありません

だからこそ、

どのルートに行くか
いつ予約するか
どうやって行き帰りするか

この3点を先に決めることが、
NZトレッキング成功の最短ルートになります。