はじめに:冬の手袋選びは「単体」で考えるな!
「冬山用のグローブって、どれが一番温かいですか?」
お店に立っていた頃、よく聞かれた質問です。
でも、実はこれ、「一番温かいダウンジャケットはどれ?」と聞くのと同じくらい危険な質問なんです。
なぜなら、冬山で指先が冷たくなる最大の原因は、外の寒さではなく「自分の手汗(汗冷え)」だからです。
どんなに分厚い3万円のグローブを買っても、汗処理ができていなければ、指先は氷のように冷たくなります。そこで重要なのが、ウェアと同じく「手袋もレイヤリング(重ね着)する」という考え方です。
今回は、失敗しない「冬山手袋のシステム」を元店員目線で解説します。
なぜ「一体型」より「レイヤリング」なのか?

冬用グローブには、全てがくっついた「一体型」と、バラバラにできる「分離型(レイヤリング)」があります。 初心者に絶対おすすめなのは「分離型」です。
理由①:濡れても乾かしやすい
手袋は必ず濡れます(汗や雪で)。一体型の分厚い手袋は、一度濡れると山小屋やテントの中で一晩経っても乾きません。分離型なら、インナーだけ寝袋に入れて乾かすことができます。
理由②:温度調節ができる
登りは暑く、稜線は寒い。レイヤリングなら「暑いからアウターだけ外そう」「寒いからインナーを厚手にしよう」といった調整が可能です。
基本の「3層構造」を理解しよう

手袋のレイヤリングは、基本的にこの3枚で構成します。
ベースレイヤー(インナーグローブ)
役割:肌をドライに保つ 素手に直接はめる薄手の手袋。ウールや化繊素材が基本です。
- ポイント: スマホ対応は必須!ここでスマホ非対応だと、写真撮影のたびに素手になり、凍傷リスクが跳ね上がります。
例えば、ミレーのインナーグローブなど。
ミドルレイヤー(保温材)
役割:デッドエア(空気の層)を作って温める フリースや厚手のウール素材。アウターとセットになっていることも多いですが、独立していると便利です。
アウターシェル(オーバーグローブ)
役割:雪・風・水を防ぐ 一番外側につける防水・防風の手袋。5本指タイプとミトンタイプがあります。っています。
- ここに薄手のインナーグローブ(メリノウールなど)を買い足せば完成。
- マイナス10度〜20度の世界でも戦える、登山者の制服的存在です。
サイズ選びの落とし穴「キツめはNG!」
靴選びと同じくらい、手袋のサイズ感は重要です。
❌️ ピッタリすぎるサイズ 血流が悪くなり、空気の層(保温層)が潰れて寒くなります。
⭕️ 指先に少し余裕があるサイズ インナーを重ねても圧迫感がないサイズを選びましょう。
意外と忘れる「予備グローブ」の重要性

最後に、一番大事なことを言います。 「冬山では、インナー手袋を必ず2セット持ってください」
意識をしていても、ふとした時に必ず手袋は濡れてしまいます。
手袋が濡れること=指を失うこと(凍傷)に直結します。 予備は、高価なものでなくてOKです。インナー手袋は必ず予備を持って行って、ザックの底に入れておいてください。それが命綱になります。
学生時代も、予備手袋の重要性を言われ続けました。
まとめ
- 高い手袋1つより、3枚の重ね着が最強。
- サイズは「ちょい緩め」を選ぶこと。
- 必ず予備のインナー手袋を持って行くこと。
手袋選びを制する者は、冬山を制します。 指先の冷えから解放されて、銀世界を思いっきり楽しみましょう!
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