登山やトレッキングでの“山ごはん”は、行動食とは違う特別な楽しみ。でもクッカー(登山用の調理器具)って種類が多く、初めて選ぶ人は迷いますよね。
「軽い方がいいの?」
「素材の違いは?」
「何人分まで対応できるの?」
そんな疑問に応えるべく、本記事では登山装備に精通した元登山店員の視点から、2025年おすすめのクッカーセット5選と選び方の基本をわかりやすく解説します。
「登山用クッカー選びの5原則」
登山クッカーは、「軽いから」「安いから」だけで選ぶと後悔します。
山の上で「あれができない」「焦げた」「入らない」とならないために、以下の5つのポイントをチェックして選びましょう!
【素材】で選ぶ
クッカーは素材によって、軽さ・調理しやすさ・価格が変わります。
素材 | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている人 |
---|---|---|---|---|
チタン | 超軽量、丈夫、熱伝導が弱い | とにかく軽い/湯沸かし◎ | 焦げやすい/調理向きではない | 軽量重視派、UL登山者 |
アルミ | 熱伝導◎、軽量、安価 | 焦げにくい/炒め・煮込みも◎ | やや傷つきやすい | 初心者〜中級者、調理重視 |
ステンレス | 重いが丈夫、耐久性最強 | 焚き火でもOK/変形しにくい | 重く、調理しにくい | 無骨な調理派、焚き火派 |
初心者におすすめ:アルミ(扱いやすく、値段も手ごろ)
【容量・サイズ】で選ぶ
山頂でワイワイ料理をしたいのか、さくっとカップ麺を食べたいのかによって、容量が変わります。
用途 | 容量の目安 | 備考 |
---|---|---|
インスタント麺、湯沸かしだけ | 600〜800ml | ソロ用/軽量でOK |
本格調理(ラーメン+具、パスタ、炒め物) | 1L〜1.5L | 鍋の直径が広めのものが便利 |
2人分以上の炊飯・煮込み料理 | 1.5L以上 | 大きめの2鍋セットが安心 |
チェックPOINT:
「山でどんな料理をしたいか?」をまずイメージすると、サイズは決まりやすくなります。
【収納性】で選ぶ
バーナー・ガス缶がクッカーに「全部入る」と、パッキング効率が劇的に良くなります。ハンドルが折りたたみ式、フタがしっかり閉まる設計を選びましょう。
チェックPOINT:
クッカーの内径が110サイズ or 250サイズのガス缶に合うか?
バーナー(例:SOTO・イワタニジュニア)も一緒に収納できるか?
【重さ】で選ぶ
クッカー単体の重さだけでなく、「バーナー+ガス缶+カトラリー」を含めた総重量が大事。目安としては、500g以下で収まると軽量パッキングとして優秀。
構成 | 合計重量 (目安) |
---|---|
クッカー(チタン)+バーナー+ガス110缶 | 300〜400g |
クッカー(アルミ)+2鍋+バーナー+ガス缶 | 450〜600g |
チェックPOINT:
軽量重視派 → チタン
料理重視派 → アルミ(重くても調理しやすい)
【調理スタイル】で選ぶ
あなたの山ごはんタイプ | 選び方のヒント |
---|---|
湯沸かし中心(お茶、カップ麺) | チタン製・深型で軽いモデル |
ちょっとした調理(袋麺+具、レトルト) | アルミ製の深型クッカーセット |
本格料理派(パスタ、炊き込み、炒め物) | 底が広い浅型 or 2鍋タイプ |
とにかく軽量装備派 | コンパクトで収納力あるモデル(ジェットボイルやスタッシュ系) |
焚き火派 | ステンレス製の直火対応モデル+五徳 |
最初の1つを選ぶなら、「アルミ製・800ml前後・バーナー収納可」からスタート!
-
アルミ製
-
800ml前後
-
バーナー・ガス缶が収納可能
この3条件を満たすクッカーが失敗しにくくておすすめです。
登山用クッカーは「何を食べたいか」「どれだけ軽くしたいか」を基準に、自分の山スタイルに合わせて選んでみてください。
登山用クッカーセットおすすめ5選
2025年、登山用クッカーのオススメTOP5は下記です。
順位 | 製品名 | 素材 | 容量 | 重量 | 特徴 | 対象 |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | エバニュー アルミクッカー深型セット | アルミ | 900ml | 約220g | 焦げにくく調理しやすい。収納性・コスパ◎ | 初心者〜中級者 |
2位 | モンベル アルパインクッカー 14+16 | アルミ(フッ素加工) | 1.4L+1.6L | 約480g | 炒め物・煮込み料理OK。万能型 | 料理好き/2人登山 |
3位 | トランギア メスティン | アルミ | 750ml | 約150g | 炊飯・焼き物向き。収納性やや△ | 炊飯派/調理経験者向き |
4位 | スノーピーク トレック700 | チタン | 700ml | 約136g | 湯沸かし特化/軽量だが焦げやすい | 軽量装備派/湯沸かし専用 |
5位 | ジェットボイル スタッシュ | アルミ+チタン | 800ml | 約200g | 湯沸かし効率◎。調理には工夫必要 | 時短派・朝だけお湯派 |
エバニュー アルミクッカー深型セット
初心者〜中級者に最適!「調理しやすさ・軽さ・価格」の三拍子が揃う名作
「エバニュー アルミクッカー深型セット」
素材:アルミ(アルマイト加工)
サイズ:内径11cm×深さ10.2cm
重量:本体約122g/フタ約65g
容量:約900ml
おすすめ登山者:初めての登山調理を楽しみたい人。1人〜2人分に対応。
モンベル アルパインクッカー 14+16
しっかり“山ごはん”したい人の定番。料理派に愛される万能セット
【素材】本体・ふた:アルミニウム合金
【重量】588g
【サイズ】アルパインクッカー 14:Φ15.5×7.9cm、
アルパインクッカー 16:Φ18×10.4cm
おすすめ登山者:本格的な調理を山で楽しみたい人/複数人での登山者
トランギア メスティン
“山で炊きたい”を叶えるクッカー。山飯マスター向けの名品「メスティン」
素材:アルミ
容量:750ml
重量:約160g
おすすめ登山者:炊き込みご飯・おこげ・焼きそばなど山ごはんを極めたい人/経験者向き
スノーピーク トレック700
軽量至上主義の定番。湯沸かし&シンプル料理派におすすめな「スノーピーク トレック700」
素材:チタン
容量:700ml
重量:約136g
おすすめ登山者:とにかく軽くしたい/シンプル山行派/ファストハイカー
ジェットボイル スタッシュ
圧倒的スピードと燃費効率。最速でお湯が欲しい人へ「ジェットボイル スタッシュ」
素材:アルミ+チタン
容量:800ml
重量:約200g(本体)
おすすめ登山者:時短・軽量・朝登山/カップ麺・コーヒー専用派
まとめ
クッカーは「山ごはんの価値」を決める
登山クッカーは、ただの道具ではなく、“山ごはんの楽しさ”を最大化するギアです。
軽さ・容量・用途のバランスを取りながら、「自分が何を食べたいか」を想像して選ぶのが成功の秘訣。
今回紹介した5つは、いずれも信頼性が高く、専門家やベテラン登山者の使用実績も豊富なモデルばかり。ぜひ、自分の登山スタイルにぴったりの相棒を見つけてください。
↓オススメの記事
登山ザックおすすめ5選【2025年最新版】初心者が失敗しない選び方も徹底解説!