はじめに

「今年こそは山に登ってみたい!」
そう意気込んだものの、スポーツショップで値札を見てそっと商品を棚に戻した経験はありませんか?
登山靴に2万円、レインウェアに3万円、ザックに1万5千円…。
「全部揃えたら初期費用だけで7〜8万円!? 続くかどうかも分からないのに?」
これは、すべての登山初心者が直面する最大のハードルです。
結論から申し上げます。「富士山に1回行くだけ」ならレンタルが圧倒的に正解ですが、「今後3年間で5回以上登るつもり」なら、購入した方がトータルコストは安くなります。
この記事では、登山歴8年の筆者が、レンタルと購入のコスト比較はもちろん、「道具の寿命」「衛生面」「保管の手間」といった隠れたコストまで含めて徹底シミュレーション。
あなたの登山スタイルに最適な「正解」を導き出します。
そもそも、登山に必要な「初期装備」のリアルな総額は?

まずは敵を知ることから。
日帰り登山や富士登山に必要な「三種の神器」+必須アイテムを、最低限のライン(モンベルや高コスパブランド)で揃えた場合の市場価格を見てみましょう。
初心者が揃えるべき基本セット(購入価格目安)
- 登山靴(トレッキングシューズ):約18,000円
- これがないと始まらない。スニーカーはNG。
- レインウェア(上下セット):約25,000円
- 命を守る装備。ゴアテックス等が必須。
- ザック(リュックサック 30L前後):約15,000円
- 腰で背負えるタイプが必要。
- トレッキングポール(ストック):約5,000円
- 膝への負担軽減に必須。
- ヘッドライト:約3,000円
- 防災用にもなるが、山では必須。
- 吸汗速乾インナー・靴下など:約5,000円
合計:約71,000円
いかがでしょうか。「ちょっとやってみたい」という気持ちだけで支払うには、あまりに高いハードルです。この「7万円の壁」をどう乗り越えるか。そこで登場するのが「レンタル」という選択肢です。
【選択肢A】レンタルのメリット・デメリット徹底解剖

近年、非常に質が上がっている登山道具レンタル。
特に「富士登山」では半数以上がレンタル利用者とも言われます。
メリット
- 初期費用が約1/5〜1/7で済む
- フルセット借りても1万円強。浮いたお金で移動費や温泉代を賄えます。
- 保管場所がいらない
- 登山道具は意外とかさばります。特にザックや靴は収納スペースを圧迫しがち。
- 日本の住宅事情において「使わない時は家にない」のは大きなメリットです。
- メンテナンス不要
- 雨に濡れたレインウェアを洗って撥水加工したり、泥だらけの靴を洗ったりする手間がゼロ。返却袋に入れてコンビニから送るだけで完了です。
- 富士山の「火山灰」対策
- 富士山特有のメリットですが、富士山の火山灰や砂利は強烈で、新品の道具も一発で傷だらけ・真っ白になります。
- 「汚れてもいいレンタル品」を使うのは非常に賢い選択です。
デメリット
- サイズ感・フィット感のギャンブル
- 特に「登山靴」です。
- 事前に試着できない場合が多く、当日履いてみて「足に合わない」となると、登山中ずっと痛みに耐えることになります。
- デザインが選べないことが多い
- 「写真映え」を気にする場合、レンタル特有の「みんなと同じ色」「使い古された感」が気になるかもしれません。
- 予約・受取・返却の手間
- 期日までに申し込み、前日に受け取り、下山後にコンビニへ持ち込む。この一連の配送手続きを面倒と感じる人もいます。
おすすめサービス:やまどうぐレンタル屋
初心者の利用実績No.1の最大手。
このサービスの最大の特徴は「ユーザーに優しすぎるキャンセル規定」です。
- 天候不良でのキャンセル料が無料:
- 「台風が来ているから中止したい」という場合、利用日の前日までに連絡すればキャンセル料がかかりません。他社では数日前から50%取られることもザラです。
- サイズ変更無料:
- 靴のサイズが合わない場合、電話一本で代わりのサイズを即発送してくれます(在庫がある場合)。
- ソックスプレゼント:
- 衛生面が気になる靴下は、なんと新品がプレゼント(または持ち帰りOK)のプランが多いです。
【選択肢B】購入のメリット・デメリット徹底解剖

「形から入る」のも趣味の醍醐味。自分の道具を持つことの意味とは?
メリット
- 圧倒的なフィット感と快適性
- 自分でお店で履き比べ、インソールを合わせたりした靴は、体の一部のように馴染みます。マメができるリスクも激減します。
- モチベーション維持(サンクコスト効果)
- 「高いお金を出して買ったんだから、元を取るために登りに行こう!」という心理が働きます。これが趣味を継続させる最大の原動力になります。
- 緊急時の防災グッズになる
- 登山道具は「サバイバル道具」です。ヘッドライト、レインウェア、ザックは、地震や災害時の避難用具として最強のスペックを誇ります。
- リセールバリュー(資産価値)
- モンベルやノースフェイスなどの人気ブランドは、中古市場(メルカリ等)でも高値で取引されます。最悪、辞めることになっても売れば半額程度は戻ってきます。
デメリット
- 初期費用が高い
- 経年劣化(加水分解)のリスク
- ここが盲点です。登山靴のソール(底)やレインウェアの裏地は、使っていなくても空気中の水分と反応して3〜5年で劣化(加水分解)します。「一生モノ」ではないのです。
- 「5年前に買って下駄箱に眠っていた靴」を久々に履くと、山中でソールが剥がれる事故が起きやすく大変危険です。
【3年間のコスト比較】損益分岐点はどこだ?
では、具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。
条件:
- レンタル費用:1回 12,000円(フルセット+送料等)
- 購入費用:初期 70,000円(メンテナンス費含まず)
シミュレーション①:年1回ペース(3年で3回)
- レンタル:12,000円 × 3回 = 36,000円
- 購入:70,000円
- 判定:レンタルの圧勝。
- 年1回のイベントとして楽しむなら、購入はコスト高です。道具の劣化を考えてもレンタルが賢いです。
シミュレーション②:年2回ペース(3年で6回)
- レンタル:12,000円 × 6回 = 72,000円
- 購入:70,000円
- 判定:ここで逆転。
- 年に2回(例:夏山と紅葉の時期など)行くなら、3年目で購入の方が安くなります。
シミュレーション③:年4回ペース(3年で12回)
- レンタル:12,000円 × 12回 = 144,000円
- 購入:70,000円
- 判定:購入の圧勝(半額以下)。
- 趣味として成立するレベル(四半期に1回)なら、迷わず買いです。レンタル手続きの手間を考えても、購入一択です。
【結論】 「これから3年間で、合計6回以上山に行くか?」 これがYESなら「買い」、NO(分からない)なら「レンタル」が経済的な正解ラインです。
賢い初心者の最適解「ハイブリッド戦略」
コストシミュレーションの結果は見えましたが、それでも「最初に7万円」は勇気がいります。
そこでおすすめなのが、「靴だけ購入+他はレンタル」というハイブリッド戦略です。
なぜ「靴」だけは買うべきか?
登山において、疲労度と安全性に直結するのが「足元」です。
レンタルの靴は頑丈ですが、多くの人が履いているためクッションがヘタっていたり、自分の足型と微妙に合わなかったりします。
「靴擦れ」は登山の楽しさを100%奪います。
どんなに絶景でも、足が痛ければ苦行でしかありません。
逆に、レインウェアやザックは、多少サイズが合わなくても「痛み」には繋がりません。
まずは自分の足に合う「登山靴」だけ15,000円〜2万円で購入し、残りはレンタルで済ませる。
これなら初期費用を抑えつつ、快適な登山が可能です。そして2回目、3回目と続くようなら、次はザック、その次はレインウェア…と買い足していけば良いのです。
最初の1足におすすめ!失敗しない入門用登山靴
最後に、「これを選べば間違いない」という入門用登山靴のベストセラーを紹介します。
1. Caravan(キャラバン) C1_02S
- 日本の登山史における最高傑作の一つ。
- 日本人の足型(幅広・甲高)に合わせて設計されており、「登山靴は痛い」という常識を覆した名品です。
足首周りのクッションが柔らかく、初心者でも違和感なく履けます。グリップ力も申し分なく、屋久島や富士山、北アルプスの岩場まで対応可能。
- 参考価格:約18,000円〜
- 特徴:ゴアテックス搭載、初心者向け設計、豊富なサイズ展開
2. mont-bell(モンベル) cシリーズ
- 日本が誇るモンベル。
- 圧倒的なコストパフォーマンスに加え、全国のモンベルストアで細かくフィッティング(足の計測)ができるのが最大の強みです。
通販で買うのが不安な方は、モンベルの実店舗へ行きましょう。
まとめ
迷っている時間がもったいない!まずは「予約」か「試着」を!
登山道具のコスト問題に対する答えは出ました。
- 「一生に一度かも」「富士山だけ」 → 迷わずレンタル(やまどうぐレンタル屋が安心)
- 「これから趣味にしたい」 → まずは登山靴を購入、他はレンタルからスタート
一番もったいないのは、道具の値段や選び方に悩みすぎて、「結局、山に行かなかった」という結末です。
山には、あなたの想像を遥かに超える感動と、非日常の体験が待っています。道具はお金で解決できますが、その体験はプライスレスです。
まずはレンタルサイトの在庫を眺めるか、週末にスポーツ用品店で靴を試着することから始めてみませんか? その一歩が、新しい世界への入り口です。
▼まずはレンタルの在庫・価格を見てみる▼
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