【2025年最新版】初心者向け登山に必要なものリスト|必須装備と便利アイテムを徹底解説

山道具
プロフィール
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ポレポレ

高校から登山をはじめ、8年間。
山&旅好きな彼女と、国内外へ。
2人で協力して、[山]と[旅]の情報発信中!

はじめに

登山を始めたいけど、「何を持っていけばいいのか分からない…」という方は多いはず。
この記事では、2025年の最新情報をもとに、登山初心者が安心して山に挑めるよう、必要な持ち物を丁寧に解説します。必須装備はもちろん、あると便利なグッズや季節に応じた装備も紹介。チェックリスト付きで、出発前の準備にも役立ちます。

単なるリストアップではなく、
・なぜそれが必要なのか
・どんな基準で選べばいいのか
を専門的に、かつ分かりやすく解説します。

さらに、
・登山歴8年の経験
・100人以上の登山仲間の体験談
をもとに、ワンポイントアドバイスやあるある失敗談についても解説します!

登山に絶対必要な基本装備(必須)

装備 役割
登山リュック 両手を空けて安全に歩くため。
登山靴(トレッキングシューズ) 滑り止め・足元保護。普通の靴では転倒リスク。
レインウェア(上下セパレート) 突然の雨・防寒対策。
登山用ウエア(長袖シャツ) 紫外線・虫刺され防止。半袖だと危険。
登山用パンツ(速乾素材) 汗冷え防止。普通のパンツでは汗で重く動きづらい。
登山用靴下(厚手・速乾) 靴擦れ防止。普通の靴下だと足にダメージ。
ザックカバー 荷物防水。雨で荷物が濡れると行動不能。
地図・コンパス・スマホ登山アプリ 道迷い防止。地図なし=迷って下山できない。
モバイルバッテリー スマホの命綱確保。充電切れは遭難リスク。
ヘッドライト&予備電池 遅延・遭難時の必須装備。夜道は真っ暗。
ファーストエイドキット 応急処置用。怪我放置で動けなくなる。
登山用帽子(ハットorキャップ) 熱中症&日焼け防止。
日焼け止めクリーム 紫外線防止。肌が焼けてボロボロに。
飲料水(1.5L~2L以上) 脱水症状防止。水切れ=即リタイア。
行動食(ナッツ・ゼリーなど) エネルギー補給。シャリバテ(エネルギー切れ)防止。

登山リュック

登山ではリュックが身体との一体感を保つ道具です。荷物の重さを背中と腰でバランスよく支える設計がされており、一般的なバッグでは代用できません。初心者の日帰り登山であれば20〜30L程度の容量がベストです。背面にメッシュパネルがあるものは通気性が良く、汗をかいても蒸れにくいです。必ずウエストベルト付きのものを選び、荷重を肩だけでなく骨盤に分散できる構造が推奨されます。


登山靴(トレッキングシューズ)

登山靴は「滑り防止」と「足首の保護」を同時に担う命綱です。アスファルトのような整備道ではなく、岩場やぬかるみ、ガレ場など様々な地形を安全に歩行するために必須。一般的に、初心者には「防水仕様」「ハイカットタイプ」が強く推奨されます。(個人的には岩稜帯に行かなければローカットでも良いと思っています。)足首の固定が不十分だと、捻挫や疲労骨折のリスクが高まります。靴選びでは、専門店で実際に試し履きを行い、厚手の登山用靴下を着用した状態でフィッティングすることが重要です。

 


レインウェア(上下セパレート)

山の天候は急変が常識です。レインウェアは雨だけでなく、風や気温低下から身を守る「防護壁」となります。必ず上下別れたセパレートタイプを選び、全身を完全に覆えるものを用意しましょう。素材はゴアテックスに代表される「透湿防水素材」が推奨されます。透湿性が低いと内部が蒸れて逆に体温を奪われるため、価格だけでなく素材性能も考慮すべきです。


登山用ウエア(長袖シャツ)

登山中は紫外線量が平地の約1.5倍とも言われます。肌の露出を防ぎつつ、汗を速やかに逃がすため、長袖の速乾素材シャツが必須です。コットン(綿)素材は乾きにくく、濡れると体温を奪うリスクがあるためNG。ポリエステル主体のドライフィット系素材が推奨されます。春〜夏でも肌寒い標高差を考え、ベースレイヤーとして機能するウェアを選びましょう。


登山用パンツ(速乾素材)

動きやすさと汗冷え対策を両立するために、登山専用のパンツが必要です。ストレッチ性があり、膝の立体裁断が施されたモデルなら、段差や急斜面もストレスなく登れます。素材は速乾性ポリエステルやナイロン混が基本。ウエスト調整可能なタイプを選ぶと、歩行中の食欲低下や脱水で体型が変わった際にもフィット感を保てます。


登山用靴下(厚手・速乾)

靴擦れや足裏の痛みを防ぐため、登山では専用の厚手靴下が必須です。特に初心者は足に余分な衝撃が加わりやすいため、クッション性の高い靴下が重要になります。素材は汗を吸収しつつ速乾する「メリノウール」混紡が理想的です。夏場でも通気性を確保しつつ、靴とのフィット感を向上させるため、専用モデルを選びましょう。


ザックカバー

突然の豪雨や霧雨は、荷物を一瞬でずぶ濡れにします。防水対応リュックでも、ザックカバーで覆わないと浸水リスクは防げません。リュック本体サイズに合わせた専用カバーを必ず持参しましょう。特にレインウェアとセットで考え、カバーが小さすぎないか事前に確認が必要です。


地図・コンパス・スマホ登山アプリ

GPSアプリだけに頼るのは、電波不通やバッテリー切れのリスクがあるため危険です。登山では、アプリに加えて「紙地図」と「コンパス」を必ず併用します。自分の現在地と周囲の地形(尾根・谷・ピーク)を把握し、読図できる最低限のスキルも求められます。登山アプリ(例:YAMAP)は補助的ツールと位置付けましょう。


モバイルバッテリー

遭難時に連絡手段やGPS機能を失うのは致命的です。バッテリー切れ防止のため、必ずモバイルバッテリーを携行しましょう。容量は10,000mAh以上推奨、できれば軽量(200g以内)のものが理想。山では寒さでバッテリー消耗が早まるため、ポケット内に収納し体温で保護すると効果的です。


ヘッドライト&予備電池

予定より行動が遅れた場合、下山時に日没を迎えるリスクは常にあります。ヘッドライトがないと夜間行動は事実上不可能です。両手を自由に使える「ヘッド型」を選び、必ず予備電池も持ち歩きましょう。登山では防水仕様(IPX4以上)が推奨されます。


ファーストエイドキット

小さな怪我が致命的なトラブルに繋がるのが登山です。擦り傷、ねんざ、低体温、虫刺されなど幅広い事態を想定し、応急処置セットを準備します。最低限、絆創膏、滅菌ガーゼ、テーピングテープ、消毒液、鎮痛薬は揃えてください。既製品に加え、自分の持病や必要薬品をカスタマイズして携行するのが理想です。


登山用帽子(ハットorキャップ)

紫外線、熱中症、雨対策まで担うのが登山帽子です。顔や首筋への直射日光を防ぎ、体力消耗を抑える効果があります。顎紐付きで、突風でも飛ばされない設計が重要。ハット型なら首周りのカバー範囲も広く、夏季登山には特に有効です。


日焼け止めクリーム

標高が高いと紫外線量は増加し、無防備な肌は短時間でダメージを受けます。特に顔や耳、首筋は重点的に保護すべきです。SPF50+、PA++++以上のウォータープルーフタイプを選び、2〜3時間ごとに塗り直すのが理想です。


飲料水(1.5L~2L以上)

水分補給は最優先課題です。脱水症状はパフォーマンス低下だけでなく、熱中症、意識障害のリスクを伴います。行動中にこまめに飲めるよう、ハイドレーションパックを使用するか、500mlボトル2〜3本に分けて携帯するのが効果的です。


行動食(ナッツ・ゼリーなど)

エネルギー不足(シャリバテ)は登山中の最大の敵です。高カロリーで消化負担の少ないナッツバー、ゼリー飲料、羊羹、ドライフルーツなどを小分けにして持参しましょう。体が冷える前に摂取する習慣を身につけるとバテにくくなります。

 

あると便利!登山の快適グッズ(推奨)

装備 役割・持つメリット
軽量ダウンジャケット 朝晩や標高差による冷え対策。
トレッキングポール 膝負担軽減・下り坂の安定性向上。
小型折りたたみ座布団 休憩時に地面の冷たさ・痛みを防止。
ビニール袋(複数枚) ゴミ持ち帰り・荷物の簡易防水に活用。
ジップロック 行動食や小物を整理・防水できる。
汗拭きタオル・ウェットティッシュ 汗対策・手拭き・衛生管理に便利。
虫除けスプレー 虫刺され防止。特に低山で有効。
熊ベル 熊など野生動物への存在アピール(遭遇回避)。
トイレットペーパー(少量巻き直し) トイレ時・緊急時に必要。
暇つぶし用の本(軽量) 山小屋・休憩時の時間つぶし。電子書籍も可。
現金(小銭含む) 山小屋、バス、緊急時の支払い用。キャッシュレス不可の場面に対応。

軽量ダウンジャケット

標高の高い山域では、夏でも朝晩に気温が一桁台まで下がることがあります。軽量なダウンジャケットは、そんな寒暖差に即応できる重要なアイテムです。保温力だけでなく「軽さ」「コンパクトさ」が求められるため、羽毛量が少なめでパッカブル収納(専用袋に収まる設計)のモデルを選びましょう。防風シェルとの重ね着(レイヤリング)も意識すると、より幅広い気象条件に対応できます。


トレッキングポール

膝や腰への負担を大きく軽減し、転倒リスクを下げてくれるのがトレッキングポールです。特に下山時に膝への衝撃は自体重の2〜3倍に達するため、初心者ほど使うべきです。選び方としては、伸縮式(2段または3段)のアルミニウム製またはカーボン製が主流。軽量性ならカーボン、耐久性重視ならアルミ製がおすすめです。グリップの素材(コルク製やラバー製)にも注目しましょう。


小型折りたたみ座布団

休憩時に地面に直接座ると、冷気や湿気で体温を奪われたり、疲労回復が遅れたりします。小型の折りたたみ式座布団は、そのリスクを防ぎつつ休憩を快適にします。わずか数十グラムで携行できるため、特に日帰り登山でも用意して損はありません。アルミ蒸着加工されたモデルなら地面からの冷気を効果的に遮断できます。


ビニール袋(複数枚)

登山では「ゴミはすべて持ち帰る」が絶対ルールです。また、急な雨で濡れた衣類を一時収納したり、濡らしたくない装備(電子機器類)を防水するためにも、ビニール袋は必携です。透明で厚手の袋を複数枚持っておくと用途が広がります。できればS・M・Lサイズを用意し、使い分けできるようにしましょう。


ジップロック

ビニール袋よりもさらに防水性と密閉性に優れるのがジップロックです。行動食や地図、スマホなどの小物類を保護するために活躍します。スマホをジップロックに入れたまま操作できるタイプもあり、雨天時には非常に重宝します。予備として数枚多めに持つと安心です。


汗拭きタオル・ウェットティッシュ

汗を放置すると体温調整機能が狂いやすく、また肌トラブル(あせも、かぶれ)にも繋がります。登山では吸水性と速乾性を兼ね備えたマイクロファイバータオルを推奨します。さらに、食事前の手洗い代わりや、転倒時の汚れ拭きにも使えるため、ウェットティッシュもセットで持っていきましょう。アルコール入りとノンアルコールの使い分けも便利です。


虫除けスプレー

低山〜中山帯では、蚊・ブヨ・アブといった吸血昆虫が活動しており、刺されると強い痒みや腫れ、感染症リスクまで発生します。肌への安全性を考慮しつつ、効果が高いDEET(ディート)成分入りのスプレーが一般的ですが、肌に優しい天然ハーブ系も選択肢になります。登山行動前に全身に満遍なく散布し、数時間ごとに塗り直すと効果が持続します。


熊ベル

熊などの野生動物と不意に遭遇すると、人間も動物もパニックになり事故リスクが高まります。熊ベルは「こちらに人間がいる」という存在を音で知らせるツールです。コンパクトで常に鳴らし続けられるモデルを推奨します。特に北海道や中部山岳エリアなど、ツキノワグマ生息地では必携です。音の大きさ、音色(高音・低音)も確認して選びましょう。


トイレットペーパー(少量巻き直し)

山にはトイレ設備がない場所も多く、また設置されていても紙が補充されていないことが珍しくありません。トイレットペーパーは自分で持参するのがマナーです。芯を抜いて小さく巻き直し、防水パック(ジップロックなど)に入れておきます。衛生用品としても非常に重要なアイテムです。


暇つぶし用の本(軽量)

山小屋滞在中や天候待ちの間は、思いのほか時間を持て余すことがあります。軽量な文庫本や電子書籍リーダー(Kindleなど)があれば、時間を有意義に使えます。電子機器の場合はバッテリー切れに注意し、モバイルバッテリーと併用すると安心です。なるべく重量・サイズを抑えたものを選びましょう。

現金(特に小銭)

登山では、現金(特に小銭)が意外と重要です。
山小屋、売店、登山口のバス、緊急時のタクシー利用など、キャッシュレスが使えない場面が今でも多く存在します。

特に小銭(100円玉・500円玉)は、
・トイレ利用料(100〜300円)
・自販機での飲料購入
・山小屋のチップや軽食購入
など、さまざまな場面で重宝します。

現金は防水性のある小型ポーチにまとめ、リュックの取り出しやすい場所に収納しておくと安心です。

 

季節・天候に応じた装備調整のポイント

春・秋の寒暖差対策

春や秋は一日の寒暖差が激しく、朝晩は冷え込む一方で、日中は汗ばむこともあります。脱ぎ着しやすいフリースやウィンドブレーカーなどの中間着を重ね、レイヤリングで調整できるようにしましょう。特に朝夕は防風性のあるアウターがあると安心です。

夏の熱中症&虫対策

夏山では熱中症や虫刺されへの対策が不可欠です。通気性に優れた服装や冷感インナーを選び、首元を冷やすクールタオルも効果的です。加えて、アブや蚊対策に防虫スプレーや虫除けリングを携帯し、長袖・長ズボンの着用で直接肌を守りましょう。帽子は日除けがついたタイプがおすすめです。

冬山(初心者向け低山)の注意点

冬は低山でも積雪や凍結のリスクがあるため、防寒と滑り止め対策が必要です。厚手のダウンやフリース、防風・防水性能のあるアウターを重ね、インナーには吸湿速乾性のあるものを選びます。手袋・ネックウォーマー・バラクラバなどの小物も寒さ対策には重要です。雪が積もるエリアではチェーンスパイクや軽アイゼンの携帯も検討しましょう。

 

よくある失敗とその対策

荷物が重すぎる

あれもこれもと詰め込みすぎると、登山中に疲労が蓄積し、転倒リスクも上がります。まずは「本当に必要か?」を一つひとつ精査しましょう。軽量化された登山ギア(例:軽量テント、コンパクトバーナー)を選ぶことや、汎用性の高いアイテムを選ぶことがコツです。

水や食料が足りない

特に夏場は想像以上に水分が必要です。出発前に飲む量も含めて、1.5〜2Lを想定しましょう。食料も行動食だけでなく、山頂での休憩時にエネルギー補給できるパンやドライフルーツを準備しておくと安心です。事前に摂取計画を立てておくと無駄がありません。

天気急変

山の天気は予想以上に変わりやすく、晴天が一気に霧や雨に変わることもあります。防水ウェアを常備し、レイヤリング(重ね着)で体温調整ができるようにしておきましょう。また、風が強いと体感温度が一気に下がるため、防風性のあるアウターも効果的です。

 

まとめ

登山は、ただ自然の中を歩くだけではありません。
天候、地形、体調、すべてが刻一刻と変化する中で、自分自身を守るための準備が必要です。

この記事では、
・命を守るために「絶対に必要な装備(必須)」
・より安全・快適にするための「持っておきたい装備(推奨)」
を厳選してご紹介しました。

装備を選ぶときは、単に「持っていく・持っていかない」で判断するのではなく、
なぜそれが必要なのか、自分にとってどんな役割を果たすのかを理解して選ぶことが大切です。

また、荷物をただ増やすのではなく、
「リスクを減らすための装備を最優先する」
この考え方を常に意識してパッキングしましょう。

しっかりと準備を整えれば、登山はきっと、
🌿 もっと自由に
🌿 もっと安心して
🌿 もっと楽しく
感じられるはずです。

さあ、必要な装備を揃えたら、
安全第一で、あなたの新しい登山の一歩を踏み出しましょう!