はじめに

「結局、どの山小屋を予約すればいいんでしょうか?」
2026年の富士山は、山小屋予約がないと夕方以降は登れない構造になりました。だからこそ、どの山小屋を選ぶかは登頂計画の核になります。
ただ、富士山には4つの登山ルートがあり、それぞれに7〜18軒の山小屋が点在しています。標高、料金、設備、混雑度、すべて違う。「とりあえず八合目で」と決めても、八合目だけで7軒以上あるので、選ぶ手間は意外と大きいです。
この記事では、ルート別・標高順に主要な山小屋を整理しました。予約開始日、料金相場、特徴を一覧にしたので、自分の登山計画に合った山小屋を選ぶ参考にしてみてください。
山小屋選びの基本ルール
山小屋を選ぶときに、まず押さえておきたいポイントが4つあります。
①宿泊する標高。
一般的に、八合目(標高3,100m前後)以上の山小屋に泊まると、翌朝の山頂までの距離が短くなり、ご来光に間に合う確率が上がります。七合目(標高2,700m前後)の山小屋は料金が安めですが、深夜2時頃に出発して4〜5時間登る必要があります。
②ルートの選択。
初心者は山小屋が多く救護所もある吉田ルートが定番です。富士宮ルートは距離が短く急勾配、須走ルートは登山者が少なめ、御殿場ルートは距離が長く上級者向け、と特徴が分かれます。
③設備。
個室があるか、女性専用エリアがあるか、充電設備があるか、Wi-Fiがあるか。料金が同じでも設備は大きく違います。
④混雑度。
お盆や週末の人気山小屋は数日で埋まります。平日や開山直後の7月初旬・閉山前の9月初旬は予約が取りやすいです。
吉田ルートの山小屋一覧
吉田ルートは富士山で最も登山者が多く、山小屋の数も最多です。
富士スバルライン五合目から山頂まで、登山道沿いに約18軒の山小屋が並びます。
以下は標高順に並べた主要な山小屋です。
五合目〜六合目
・佐藤小屋(標高2,230m、吉田口登山道)
富士山五合目から登り始める場合の起点になる小屋。通年営業に近い形で営業しており、麓からの吉田口登山道を歩く人にも対応。
・里見平★星観荘(標高2,380m)
吉田口登山道沿いの小屋。里見平・佐藤小屋から徒歩で五合目に出ると、富士スバルライン五合目に到着。ここから本格的な吉田ルートの登山道が始まります。
七合目
7合目の小屋は下記になります。
- 花小屋(標高2,700m)
- 日の出館(標高2,720m)
- トモエ館(七合目、標高2,740m)
- 鎌岩館(標高2,790m)
- 富士一館(標高2,800m)
- 鳥居荘(標高2,900m)
- 東洋館(標高3,000m)
八合目
8合目の小屋は下記になります。
- 太子館(標高3,100m)
- 蓬莱館(標高3,150m)
- 白雲荘(標高3,200m)
- 元祖室(標高3,250m)
- 富士山ホテル(標高3,400m)
- トモエ館(本八合目、標高3,400m)
八合五勺〜山頂
山頂近くの小屋は下記になります。
御来光館(標高3,450m)
吉田ルート最後の山小屋。山頂まで90分ほどの好立地。2026年は5月11日(月)正午予約開始、ホームページからのみ受付、事前クレジットカード決済必須。
胸突江戸屋(標高3,400m前後)
八合目以上の山小屋は、須走ルートと吉田ルートが合流する区間にあるので、両ルートの登山者が利用できます。
富士宮ルートの山小屋一覧
富士宮ルートの山小屋は「山室(やまむろ)」と呼ばれます。距離が短く急勾配なため、休憩を兼ねた小屋利用が重要になります。
- 雲海荘(六合目、標高2,490m)
- 宝永山荘(六合目、標高2,490m)
- 御来光山荘(新七合目、標高2,780m)
- 山口山荘(元祖七合目、標高3,030m)
- 池田館(八合目、標高3,250m)
- 万年雪山荘(九合目、標高3,460m)
- 胸突山荘(九合五勺、標高3,590m)
- 頂上富士館(山頂、標高3,720m)
富士宮ルートは全体で9軒程度の山小屋があり、サンシャインツアーなどでは、富士宮ルートを含む全4ルートの山小屋宿泊のみプランも販売されています。
須走ルートの山小屋一覧
須走ルートは、吉田ルートと比べて登山者が少なめで、静かに登りたい人向けです。八合目以上は吉田ルートと合流するので、合流前のルート上には山小屋が少なめです。
- 菊屋(古御嶽神社近く、五合目、標高2,000m)
- 東富士山荘(五合目、標高2,000m)
- 長田山荘(六合目、標高2,450m)
- 瀬戸館(本六合目、標高2,700m)
- 大陽館(七合目、標高2,920m)
- 見晴館(本七合目、標高3,200m)
- 下江戸屋(八合目、標高3,270m)
- 胸突江戸屋(本八合目、標高3,400m前後)
合流地点より上は、吉田ルート八合目以上の山小屋(御来光館、富士山ホテルなど)も利用できます。
御殿場ルートの山小屋一覧
御殿場ルートは標高差が約2,250mと富士山で最も距離が長く、難易度が高いルートです。山小屋の数も最少で、計画的な利用が必要です。
- 大石茶屋(新五合目、標高1,450m)
- わらじ館(七合四勺、標高3,090m)
- 砂走館(七合五勺、標高3,090m)
- 赤岩八合館(標高3,300m)
御殿場ルートで宿泊する場合、選択肢が限られるため、登山日が決まったら早めに予約することが重要です。
予約開始日カレンダー(2026年)
主要な山小屋の2026年予約開始日をまとめました。
| 山小屋名 | ルート | 標高 | 2026年予約開始日 |
|---|---|---|---|
| 御来光館 | 吉田・須走(八合五勺) | 3,450m | 5月11日(月)正午 |
| 白雲荘 | 吉田(八合目) | 3,200m | 5月1日 |
| 太子館 | 吉田(八合目) | 3,100m | 5月11〜14日 |
| 富士一館 | 吉田(七合目) | 2,800m | 5月17日 |
| トモエ館 | 吉田(七合目・本八合目) | 2,740/3,400m | 90日前から |
| 東洋館 | 吉田(七合目) | 3,000m | 7月1日〜9月9日宿泊予定 |
| 静岡県側の山小屋 | 富士宮・須走・御殿場 | – | 一部既に受付中 |
予約開始日は山小屋によって大きく異なり、また年によって変更があります。希望する山小屋が決まったら、各山小屋の公式サイトを定期的にチェックしてください。
吉田ルートの山小屋は「富士山吉田口旅館組合」のサイト(mtfuji.jpn.org/availablelist.php)でも一部の予約状況や空き状況が確認できます。富士宮ルートは「富士山表富士宮口登山組合」、御殿場・須走ルートは各山小屋のHPで確認します。
料金相場と支払い方法
2026年の山小屋宿泊料金の相場は、ルート・標高・サービス内容によって変わります。
- 吉田ルートの一般的な料金は、1泊2食付きで11,000〜18,000円
- 富士宮ルートは1泊2食付きで11,000〜17,000円程度
- 須走・御殿場ルートは1泊2食付きで11,000〜16,000円程度
素泊まりプランがある山小屋では、8,000〜11,000円程度。ただし富士山では火気使用が制限されているため自炊はできず、山小屋の売店で食事を購入することになるので、節約効果は限定的です。
支払い方法は山小屋によって異なります。トモエ館・御来光館などはホームページからのインターネット予約+事前クレジットカード決済が必須。一方、現地で現金払いの山小屋もあります。多くの山小屋では、予約時から5%のキャンセル料がかかります(多重予約防止のため)。直前のキャンセルは前日〜当日で100%になることが多いです。
ただ、夕食・朝食をつけるか、お弁当形式にするかなどはプランの選び方次第なので、必要なら各山小屋に直接確認してください。
山小屋選びの実践的なアドバイス
ここまでの情報を踏まえて、状況別の選び方を整理します。
ご来光を山頂で見たい人
八合五勺の御来光館または八合目以上の山小屋を選んでください。山頂までの距離が短く、深夜出発の負担が軽くなります。御来光館は山頂まで約90分の好立地ですが、人気が集中するので5月11日の予約開始日に即動く必要があります。
代替案として、富士山ホテル、太子館、白雲荘などの八合目クラスの小屋。山頂まで2〜3時間なので、深夜1時頃の出発が現実的です。
コスパ重視の人
七合目の山小屋(鎌岩館、富士一館、鳥居荘、東洋館など)は12,000〜14,000円程度で泊まれます。ただし山頂までの距離があり、深夜0時前後に出発する必要があります。
静かに登りたい人
須走ルートまたは御殿場ルートの山小屋。登山者数が吉田ルートより少なく、混雑が比較的緩やかです。ただし山小屋の選択肢が限られるので、早めの予約が必須です。
個室で休みたい人
トモエ館(吉田ルート七合目・本八合目)は全室個室タイプ。料金は通常より高めですが、混雑する大部屋を避けたい人には選択肢になります。白雲荘は仕切りカーテンで個室感を確保しています。
予約に出遅れた人
第一に、キャンセル待ち(山小屋の公式サイト、富士山吉田口旅館組合の空室確認サイトを毎日チェック)。第二に、ツアー利用(ツアー会社が山小屋枠を確保している場合がある)。第三に、平日や9月の比較的空いている日程への変更。詳しくは関連記事を参照してください。
関連記事:富士山の山小屋が予約取れない時の選択肢|2026年・キャンセル待ち・代替策・予約なし登山の現実
まとめ
2026年の富士山は、山小屋予約が登山計画の核になりました。逆に言えば、山小屋を確保できれば、ゲート規制や時間規制から守られ、安心してご来光登山ができます。
ルート別・標高別の特徴を踏まえて、自分の登山スタイルに合った山小屋を選んでください。予約開始日が近い小屋から順番に攻めるのが鉄則です。
なお、本記事の情報は2026年4月時点のものをベースにしていますが、料金・予約方法・営業期間は変更される可能性があります。予約前には必ず各山小屋の公式サイトで最新情報を確認してください。
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